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  1. 熊本県議会 1990-06-01
    06月18日-04号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-26
    平成 2年 6月 定例会┌──────────────────┐│  第 四 号(六月十八日)    │└──────────────────┘ 平 成 二 年  熊本県議会六月定例会会議録    第四号──────────────────────────平成二年六月十八日(月曜日)   ────────────────────   議事日程 第四号  平成二年六月十八日(月曜日)午前十時開議 第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)   ────────────────────本日の会議に付した事件 日程第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)      ───────○───────出席議員(五十四名)                 大仁田 貞 夫 君                 高 野 誠 一 君                 水 野 秀 昭 君                 吉 本 賢 児 君                 村 上 寅 美 君                 草 村   照 君                 鬼 海 洋 一 君                 本 田 良 一 君                 松 村   昭 君                 久 保 立 明 君                 福 村 三 男 君                 前 田 貞 治 君                 池 田 貞 俊 君                 小早川 宗一郎 君                 岩 下 榮 一 君                 前 畑 淳 治 君                 野 田 将 晴 君                 荒 木 詔 之 君                 中 島 絹 子 君                 中 島 隆 利 君                 島 田 幸 弘 君                 島 津 勇 典 君                 大 西 靖 一 君                 倉 重   剛 君                 山 本   靖 君                 渡 辺 知 博 君                 西 岡 勝 成 君                 深 水 吉 彦 君                 阿曽田   清 君                 三 角 保 之 君                 永 田 健 三 君                 堀 内 常 人 君                 山 本 秀 久 君                 八 浪 知 行 君                 鏡   昭 二 君                 髙 田 昭二郎 君                 古 閑 一 夫 君                 大 森   豊 君                 馬 場 三 則 君                 古 閑 三 博 君                 平 川 和 人 君                 北 里 達之助 君                 広 瀬 博 美 君                 柴 田 徳 義 君                 金 子 康 男 君                 米 原 賢 士 君                 小 材   学 君                 八 木 繁 尚 君                 幸 山 繁 信 君                 池 田 定 行 君                 小 谷 久爾夫 君                 水 田 伸 三 君                 今 井   洸 君                 酒 井 善 為 君欠席議員(なし)   ────────────────────説明のため出席した者          知事     細 川 護 熙 君          副知事    山 内   新 君          出納長    伴   正 善 君          総務部長   板 倉 敏 和 君          企画開発部長 飯 原 一 樹 君          福祉生活部長 東 瀬 偉 一 君          衛生部長   星 子   亘 君          環境公害部長 佐 藤 幸 一 君          商工観光労働          部長     東 坂   力 君          農政部長   木 村 剛 勝 君          林務水産部長 木 村 幸次郎 君          土木部長   杉 浦 健 次 君          公営企業          管理者    小 澤   豪 君          教育委員会          委員長    安 永 蕗 子 君          教育長    松 村 敏 人 君          警察本部長  村 井   温 君          人事委員会          事務局長   中 島 伸 之 君          監査委員   木 原 章 三 君   ────────────────────事務局職員出席者          事務局長   松 見 廣 海          事務局次長  中 島 太 白          議事課長   清 塘 英 之          議事課長補佐 宮 﨑 博 次          主事     小 池 二 郎      ───────○───────  午前十時四分開議 ○議長(北里達之助君) これより本日の会議を開きます。      ───────○─────── △日程第一 一般質問 ○議長(北里達之助君) 日程に従いまして、日程第一、一昨日に引き続き一般質問を行います。 鬼海洋一君。  〔鬼海洋一君登壇〕(拍手) ◆(鬼海洋一君) 日本社会党の鬼海洋一でございます。一般質問をただいまから行わせていただきます。 ゆうべ、たしか十一時四十分ぐらいからだったろうと思います。NHKで産業廃棄物問題に関する特集がやられておりました。これは、この近年それぞれのマスコミあたりも非常に大々的に取り上げるようになりました。そのことは、すなわち、この産業廃棄物問題というものが私どもの日常生活に非常に大きな影響を及ぼしている、しかも今日の状況というのが大きく社会問題化してきている、その一つのあらわれではないかというふうに思いながら実は眺めていたわけであります。その中では、高いレベルで処理することのできる処理業者の育成をすべきであろう、あるいはまた当然に発生量を抑制をすることが極めて重要な課題になっている、そしてまたリサイクルということを考えようではないか、発生量を抑制するということについては、PPPの原則に基づきまして、これは排出事業者、真剣な立場でこの量を抑制するという、こういう動きについても促すようなことをやるべきである、こういう提言がなされておりまして、私なりにそれぞれ非常に妥当性のある方向性として考えながら見ていたわけであります。 特に今議会でも、当然この問題がそれぞれの先輩議員の関心を呼んでいるようでありますし、代表質問あるいはまたきのうの一般質問の中でも三名の方々がお取り上げになりました。私は、それぞれその質問に知事の方からあるいは執行部の方からお答えいただいたわけでありますけれども、いま少しこの産業廃棄物を取り巻く現状について詳しく報告をしながら、そしてまた、もう少しあの答弁の中身を突き詰めていきたいという思いで本日登壇をしたわけであります。諸先輩の皆さん方、しばらくの間御清聴いただきますようにまずもってお願いを申し上げたいと思います。 そこで、まず第一点、知事にお尋ねをするわけでありますけれども、廃棄物行政を取り巻く現状ということで質問いたしますが、その中で、グリーンイシュー廃棄物処理行政に取り組む決意について、知事からお答えをいただきたいと思います。 地球環境を守れという崇高な理念のもとに、一九七〇年、米国の市民運動家デニス・ヘイズ氏の呼びかけでスタートした地球の日、つまりアースデーというふうに呼ばれておりますが、それから二十年、一年一年多くの賛同者を広げながら、ついに本年は、世界百四十カ国、参加者実に一億人を超すまでに運動の高まりを見せるに至りました。ここ熊本でも、四月二十日から二十二日までの三日間、地球環境の保全を訴えるよう、さまざまの展示や集会が企画をされました。改めて地球規模で日常の生活を問い直すことの大切さを思い知らされたわけであります。さらには、多くの県民の方々の熱心な参加を目の当たりにするときに、地球環境保全に向けての取り組みの重要性を痛感をさせられました。 時代は、スペースシャトルを拠点としての宇宙開発、あるいは全世界を一瞬にしてネットワークする超科学技術の発達や望むものはそのほとんどが手に入るであろうと思われる物質文明の爛熟期を迎えています。しかしその一方で、酸性雨や地球温暖化現象、あるいは砂漠化、生活周辺の環境汚染など、人類破滅への危機が同時進行していることも紛れもない事実であります。このアースデーの世界的な盛り上がりは、生活実感の中で、お互いが肌でそのことを感じているあらわれでもあろうというふうに思っています。 ところで、私は、その催しに参加しながら、先般の三月議会冒頭の知事の予算提案理由説明で表明されましたグリーンイシューという言葉を鮮烈に思い出しておりました。みどりを熊本づくりの基本理念とし、ただ単に町や農村の緑をふやすということではなくて、水質の問題や農薬の問題、あるいは廃棄物、さらには地球環境などすべてを念頭に置き、中でも県民の心のみどりを豊かにする生活空間・熊本をつくるというものでありました。私は、知事のその理念を高く評価し、賛同する一人でありますが、お互いにその理念に沿った熊本づくりに努力したいと考えております。 しかし、今住んでいる足元を見詰めるとき、理念で求めるものとは裏腹に多くの困難な問題が進行していることも見逃してはならないことだと思います。その中の一つに、年々増大する生活ごみ、環境への影響が心配される産業廃棄物の問題があります。特に医療用廃棄物や建築廃材の処理、処分場の確保など、いわゆる廃棄物の安全処理が極めて大きな行政課題となってまいりました。このことは、本県のみならず全国、全世界規模での重大関心事ともなっておりますが、環境先進県を目指す本県にとって、もはや避けて通れない課題だと思います。廃棄物処理行政に取り組む知事の決意をまずお聞かせいただきたいと思います。  〔知事細川護熙君登壇〕 ◎知事(細川護熙君) グリーンイシュー、つまり端的にみどりの問題と私は申しておりますが、それは、人間と地球環境との調和を図り、豊かな繁栄を続けるために、人間社会に課せられた課題の総称としてとらえているわけでありまして、廃棄物対策もみどりの問題として重要な課題の一つであると認識をいたしております。 廃棄物問題に対応していくためには、減量化や処理施設の適正配置、種類に応じた適正な処理などが必要であり、特に減量化については、我々一人一人の取り組みによって達成されるものであることは申すまでもございません。また、資源の再生利用を図るためのリサイクルシステムを持った社会の構築や使い捨て文化と言われる現代の生活様式の見直しなども当然必要なことであろうと思っております。 ただ、そうは申しましても、廃棄物処理については、現実的に緊急に対応しなければならない問題がいろいろあるわけで、県としても、できることにつきましては、県民の御理解と御協力をいただきながら、関係団体との連携を図って積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  〔鬼海洋一君登壇〕 ◆(鬼海洋一君) 今知事からその決意の一端を表明いただいたわけでありますが、これまで代表質問なりあるいは一般質問の中でもそれぞれお答えになっていただいておりまして、私は問題は、その決意をいかにして具体的な施策に生かしていくのか、もう少し申し上げますならば、その知事の理念をそれぞれの担当部局がお互いに現実になるようにどう政策化をしていくか、このことが極めて大事なことだというふうに思っております。そこで、その決意をいただきましてその決意を受けながら、あと具体的に御質問を申し上げたいというふうに思います。 各市町村の廃棄物処理の現状と最終処分場の確保についてお尋ねいたします。 私は、この三年間、過去二回にわたって産業廃棄物問題を取り上げてまいりました。そのいずれもが、廃棄物の増加が予想される中で処理場の確保が県政の重要課題となってくる、今日処理場、処分場の周辺では適正処理をめぐって住民の間から多くの不信と不安の声が上がっている、適正な処理体制をつくることが将来に向けて処分場を確保するための最大の課題であるというものでありました。そして今回、同じ問題を三たび取り上げることになりましたが、それだけに難しい問題だということも痛感をいたしております。 最近、関係各方面から御指導や忠告、あるいは訴えをいただく機会が多くなりました。その中で、ある町長さんとお会いいたしましたが、まずは、この問題に一生懸命取り組んでほしいというその要望でありました。お互いに話をする中で、最近のごみの変化や量の増大、あるいは処分場確保の困難性など、最も住民に近い立場にある自治体の首長としての深刻な悩みを知らされたわけであります。今回この問題を取り上げることにしたのは、このことも非常に大きな動機でありました。 それでは、他の市町村の状況はどうだろうか、そう考えながら、県下九十八市町村長さんに廃棄物処理行政に対する御意見をいただくことにいたしました。そのほとんどの市町村からアンケートの回答が寄せられました。御協力いただきましたことに対し、本議場からではありますが、心から感謝とお礼を申し上げたいと思います。 このアンケートの内容については、ごみの処理の方法について、単独かあるいは一部事務組合か、処理についてはどのようにかかわっているのか、収集の方法で分別収集されているのか、処分の方法はどうか、焼却、埋め立てか、特に最終処分場の有無について、今後何年間ぐらい使用可能ですかという問いをいたしました。ごみの減量についての対策あるいは産業廃棄物について、中でも産業廃棄物の中では、後で申し上げますが、医療用廃棄物について、厚生省はガイドラインを示したわけでありますが、その後の対応はどうされたのか、医療廃棄物の処理について問題があればお示しいただきたい。あるいは廃棄物行政について、先ほど代表質問の中でも我が党の中島県議の方から御指摘をいたしましたけれども、最終処分場をめぐって住民とのトラブルが発生しているのか、いないのか。あるいは県下七ブロックに分けて対策協議会が設置されたけれども、市町村の抱える問題点からするとどうなのか。あるいは、これまた何回も今議会でも申し上げたわけでありますけれども、公共関与のあり方であります。そのことについて各市町村がどう考えているのか。さらにまた非常に重大なことは、今日の廃棄物処理及び清掃に関する法律というのがありますけれども、これはもう皆さん御案内のとおりに極めて不備であります。この不備を補うために、というよりも抜本的に改正をしようという動きが今全国的な高まりになっているわけでありますけれども、この法律が改正されようとする中で、各市町村がどういう御要望をお持ちですか、あるいは市町村として最も困っていることがあったらお書きくださいという内容でのアンケート実施を行ったわけであります。 その中で、実に膨大な資料になりました。これはもう各町村ごとに全部集約をさせていただいたわけでありますけれども、これほどまでにですね、(資料を示す)これは全部各市町村であります。これほどまでに非常に膨大な資料として今回まとめさせていただいたわけであります。 この中で特徴的なことを申し上げますと、九十八市町村の中で回答を五十五お寄せいただきました。回収率五六%であります。最終処分場の能力ゼロ年三カ所であります。五年未満十五カ所であります。十年未満十一カ所であります。したがって、十年未満が二十九カ所、それぞれの先生方の地元の処分場がもうあと十年しか使われない。中には、既にゼロ年ということでどうしようもなく困っている所、こういうものがあるということが判明をいたしました。 医療廃棄物については、この中でお答えいただいたのは四十四カ所でありましたが、その中で、十九カ所が実は医療用廃棄物の取り扱いを中止しているわけであります。したがって、これはまた後で申し上げたいと思いますが、各小さな診療所あるいは病院等は、途端に厳しい状況に、このガイドラインを実施するという中で困難な問題に直面をいたしているわけであります。 意見は、特徴的な意見だけでありますが、マニュアルはできたが、処分施設、処分地の確保ができていないため当分混乱は避けられない、医療廃棄物処理センターの充実が急務、マニュアルに従った処理は費用がかさむため不法処理が生じやすい、排出者である医療機関に廃棄物を処理するために必要な費用を負担するという意識が薄い、小規模医療機関の問題、焼却場での残廃の処理、さらにまたトラブルの発生あり九カ所であります。このトラブルの発生というのは、最終処分場をめぐって住民トラブルが起きている所であります。 ブロック協議会の意見については、これまた、期待と、それから今日の状況に対する落胆といいますか、そういうものがあらわれているわけでありますけれども、産廃処理施設の立地が容易になると思われるという、このブロック協議会ができることに対する期待感というのが出ております。業者任せでは非常に不安である、公共の監視と助言が必要である、処理場確保に際し、住民の声が高まることに対しての公共関与への期待というのがある、産廃処理計画については県が策定するようになっているが、県営処理場の設置、最終処分場の確保等、主体的取り組みに基づいた問題提起を期待をする、公共関与の程度が不明、具体性に欠ける、産廃は県の責任で処理する旨の明確化、早急に協議会設置を望む。法律に対しての意見でありますが、一般・産業廃棄物処理に市町村での対応も限度に来ている、企業の責任も考える時期である、事業者責任の明記にもかかわらず処理困難廃棄物が拡大しており、生産から廃棄、処理まで含めた一貫指導が必要である、再生可能なものについては国、県が補助をしてでも再生すべきである、処理場が少なく困っている、許可業者の体制づくりが必要、処理業者の社会的責任の認識が不十分、県知事認可の段階で、事前審査、事業計画への行政指導の必要あり。市町村として最も困っていることは、廃棄物量の増加と質の多様化、建設廃材を含む産業廃棄物の増加、不法投棄対策処理場建設に伴う住民意識、同意、処理場計画、収集日程についてチラシ配布しているけれども市民の協力が得られない、一般廃棄物最終処分場の確保、これは主に財源の問題であります。地下水、農地の汚染、畜産農家のし尿公害、こういうものが、お寄せいただきましたアンケート結果によってそれなりに具体的に把握をすることができました。 私は、この寄せられた回答を集約する中で、ある意味では大変なことをしてしまった、これはせっかくお寄せいただいた責任にこたえていけるだろうかという思いがいたしました。今申し上げましたように事態は極めて深刻であります。何と自前の処分場の残余処理能力が完全になくなっているにもかかわらず、新しい処分場の確保が思うようにできず最終処分を民間業者や他の市町村に委託をしている事務組合や、それらが三町村ありますが、同時に残余能力があと二、三年に迫っている町村が九カ所、五年以内で埋め立て完了するところが十五市町村に上ることが判明をいたしました。 これは、具体的に実は申し上げたいわけでありますけれども、せっかくの回答をお寄せいただきましたので、その具体的町村名はきょうは伏せたいというふうに思いますけれども、それぞれこの議場にお座りになっている先生方の地元であります。また、医療用廃棄物取り扱いを中止した町村が十九町村を数え、産業廃棄物処理場建設をめぐって住民とのトラブルが発生している町村も、回答が寄せられた中で九町村に上るなど、調査段階の予想をはるかに超えるものであり、その苦悩を改めて思い知ったのであります。 各市町村は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律によって、一般ごみの回収、処分を義務づけられ、地域生活環境の整備のため日夜努力をされているわけでありますが、今日のそれらを取り巻く環境は極めて厳しいと言わざるを得ないのであります。県は、この事態をどのように把握をされ、事態解決に向けてどのように援助されようとしておられるのか、まずは各市町村の廃棄物処理にかかわる現状認識と最終処分場確保についての考え方をお尋ねをいたします。 続きまして、ブロック協議会の現状と今後の取り組みについて御質問をいたします。 私は、昨年度厚生常任委員会に所属をいたしました。昨年九月、この任期中でありましたけれども、菊池市における産廃施設建設にかかわる不法性を一般質問で取り上げました。そして、幸いにしてその会期中でありましたが、開催されました委員会において、委員会としての産業廃棄物に関する県への要望書が取りまとめられました。大変な各委員の御努力をいただいたわけであります。その内容は、市町村及び関係機関を含めた最終処分場設置についての連絡協議会の設置、二番目として、住民の不安感、嫌悪感解消のための産業廃棄物についての住民説明会の開催、さらには公共関与の検討でありました。 この異例とも言える委員会から執行部への要望は、とりもなおさず廃棄物量の増加の中で発生する廃棄物の適正処理が住民の健康と環境保全にとって極めて重要だとの認識によるものにほかならないわけであります。廃棄物量の抑制、再資源化、減量化の推進を図るとともに、最終処分場の確保が必要であるにもかかわらず困難な状況にあるという現実があります。そこで、処理基本計画の見直しを初めとした実態に基づいた県の積極的な対応を求めたものでありました。その結果、県下七ブロックに分けた産業廃棄物市町村連絡協議会、これは仮称でありますけれども、準備会が開催されておりますが、その後どうなっているのか。 ここに産業廃棄物対策市町村連絡協議会設立準備会にということで案があります。ブロック分け案、ブロックをどういうぐあいに分けるのか、あるいは組織、協議会、連合会、監視指導部会、いろいろありますけれども、どういう内容で分けるのか、あるいは協議会の協議内容、準備会の開催時期、菊池・熊本ブロックが昨年の十二月五日、芦北・八代ブロックが年内、その他のブロックが平成元年度内というふうに書いてあるわけでありますけれども、このアンケート調査した中でも、ブロック協議会の準備会が開かれているということをほとんど認識をしていない市町村も何カ所か見られたわけであります。したがって、現状と今後の取り組みについてどのように考えておられるのか、これまたお答えをいただきたいと思います。 次に、ごみ減量対策であります。 何回も繰り返し述べましたように、一般ごみ、産業廃棄物の量は年々増加の一途をたどっております。当然に処理場の施設や処分場の確保が大切になってきておりますが、同時に、それら排出物をいかに減量するかが、本来的には最初に考えなければならない課題であります。各市町村では、有価ごみのリサイクルによる減量、あるいはボックス式生ごみ処理器の普及、これは市町村から補助金を出して生ごみ処理器を普及させるという町村もあるようであります。くまもとダイエット一〇〇、熊本市が行っております、キャンペーンなどが取り組まれ、民間団体の中でも、例えば生活協同組合などは、既にポリ容器から紙容器へ容器を転換をする、牛乳パックを回収してトイレットペーパー等へのリサイクル、あるいは瓶類を回収、再利用するなど、そういうことが行われるなど減量行動への参加が広がりつつありますが、全体としてはまだまだ少数であります。 県としても、企業への要請、PR行動、リサイクル技術の開発援助など、本格的な減量化行動が必要だと考えております。例えばこの最終処分場、バクテリアによってそれを有機化をする、こういうことだって可能であります。あるいはまた後で申し上げますが、建設・建築廃材をどういうぐあいに少なくしていくのか。これはきのうもNHKのあの報道の中であっておりましたように、例えば建築廃材等についてそれをリサイクルをする。つまり、いろんな技術的な開発によってカーボン化をしてそれを土に還元をするという、こういうことが取り組まれているところもあるわけでありまして、そういう技術的な援助についてどう考えているのか。電応研あるいは工業技術センター、こういうものとどうリンクをさせて、最も重要な課題であるこの問題について取り組むのか。こういうことも当然に県として援助する立場から考えられねばならない課題でありますが、この辺をどう考えておられるのか、お答えをいただきたいというふうに思います。  〔環境公害部長佐藤幸一君登壇〕 ◎環境公害部長(佐藤幸一君) まず、各市町村の廃棄物処理に係る現状認識と最終処分場確保についてでございますが、御案内のとおり一般廃棄物の処理は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりまして市町村の固有事務とされております。このため、収集から最終処分まですべて市町村の責任において実施されているが、お話しのとおり最終処分場の用地確保に困窮している様子は我々といたしましても十分承知しているところでございます。 毎年実施しております廃棄物処理事業実態調査によりますと、既に、これは一般廃棄物でございますが、残余容量のない、あるいはほとんどない処分場が十カ所ほど認められます。これらのうち三施設につきましては既に用地確保がなされて整備中でございますが、残りの七施設については、それぞれのいろいろな事情がございまして見通しが立っていないということでございます。今後実情をよく把握して県としてお手伝いできることがあれば、対応してまいりたいと思っております。 次に、ブロック協議会の現状と今後の取り組みについてでございますが、お話のあったように、これまで七つのブロックごとに市町村の担当課長により準備会を開催し、その中で組織構成、それから協議会の協議すべき内容等についての御意見が出されております。その中には、一般廃棄物の処理にかかわる問題点についても、協議会の、これは産廃を協議するということでございましたが、それだけでなくて、一般廃棄物の処理にかかわる問題についても協議会の協議内容とすべきである、そういったこと、それからブロック代表等による全県的な組織が必要であるという意見も出されております。こういった意見を踏まえまして、市長会、それから町村会等関係団体とさらに協議を重ねる必要がございますので、現在その調整を行っている段階でございます。 今後、一般廃棄物も協議の対象となることから、当初の産業廃棄物対策市町村協議会、これは仮称でございますが、これを廃棄物対策市町村協議会という名称に変えまして、七ブロックのうち、緊急度が高い、地元のまとまりの度合いの高いところから順次設立を目指すとともに、これらと並行いたしまして全県的な組織づくりの検討も行ってまいりたいと思っております。 次に、ごみ減量対策についてでございますが、お話しのとおり、ごみの量を減らすことは、廃棄物対策を進める上で入り口の論議として一番大切な問題であろうかと思います。現在市町村や民間団体等でいろいろな形でごみ減量化についての取り組みがなされているところでございます。 再生品使用の促進等のPR活動につきましては、さらに効果的な取り組みに努めますとともに、ごみ減量化についての企業への要請につきましては、早速実行に移したいと考えております。 なお、再生利用の技術開発援助につきましては、先日知事が深水議員にお答えいたしました庁内連絡体制の中で検討してまいりたいと存じております。  〔鬼海洋一君登壇〕 ◆(鬼海洋一君) 今各市町村が抱えている、私の方から指摘をいたしました最終処分場の現状については、よく承知をしているという御答弁をいただきました。 何回も申し上げますように、極めて厳しい状況にある、そしてそのことを各市町村としては、新しく処分場をつくること、そしてまた、既に残余能力が枯渇をしているところ、こういうところはこれから先どうしていったらいいのか、途端に困っているわけであります。したがって、各市町村のそういう具体的にさらに展開をする場合の対応能力を、既にその限界を超しているという状況を私は知っていただきたいというふうに実は思っているわけであります。したがって、知ってはいるけれどもその後の対応がなされないならば、これは知らないも同然でありまして、したがって、もう一回ですね、このことについては、それほど困っている市町村の現状を理解するときに、具体的に対応に対する県としての御援助、御支援をいただきますようにこの際お願いしておきたいと思います。 特に下水道やヘドロ、焼却処分の残滓というのは、これはもう毎日毎日発生するわけであります。この発生する残滓といいますか、処分場に埋め立てをしなきゃならぬものがもうないという状況になりますと、それぞれ町村というのは民間業者に委託をするか、これはまた廃棄物処理場の問題については後で述べますけれども、これまた残余能力極めて厳しい状況であります。あるいは他の市町村へ委託をするとか、そういうみずからのところでも処理できないという状況、どこか金を出してお願いしなきゃならぬという状況になっているわけでありますから、もう少しシビアに、深刻にとらえる必要があるんではないか。 さらにまた、この処分場建設をめぐって、これはもう二十年あるいは十五、六年前、中間処理焼却処分場を含めてもう年限に来つつあります。新しく更新をしなきゃならぬという、そういう自治体が大半であります。 現在のこの処分場設置に対する国の補助というのは四分の一であります。基準施設費の四分の一しか国庫補助がない。もうあるところは六億、七億かかるんですね。したがって、その中のわずかな部分しか補助できないということになりますと、地方自治体の財源というのは現在の能力の中でできるのかどうか、このことも十分配慮しなきゃならぬことであります。そういう問題をもろもろ合わせまして、もう一回申し上げますけれども、真剣に積極的に対応いただきますようにお願いをしたいというふうに思います。 それから、ブロック協議会の問題が今御紹介をいただきました。これはもう少し──産業廃棄物対策連絡協議会から廃棄物ということで名称を変更して、一般廃棄物についてもその議論の対象に入れるということであります。それはもう当然のことであります。しかし、先ほど申し上げましたように、既にこの準備会が、昨年の段階で、あるいは昨年度の段階ですべて終了して、もう新たな動きが始まってもいい時期であります。にもかかわらず、その内容をどうしていくのかという意味では極めて不十分ではないかというふうに実は思っております。 先ほど申し上げましたように、このブロック協議会、ものすごく困難な問題を抱えるという自治体の皆さん方は、このブロック協議会の設置に対し、あるいはそのブロック協議会が具体的に動いてくれるであろうという極めて大きな期待感があるわけでありますから、その期待感におこたえいただきますようにお願いしたいと思います。 先ほどちょっと御紹介を申し上げましたけれども、ごみの減量化の問題については、北海道では、建設業協会で建設廃材減量化のためのリサイクルプラント工場が既に設置をされております。全国的には同じようなものがあっちこっち恐らくできているんではないか。つまり、産業廃棄物処理についても、建築廃材、これをどういうぐあいに処分するか、非常に大きな問題になっております。安定型処分場に投棄をできるようになっているわけでありますけれども、この安定型処理場の残余能力、これまた後で申し上げますけれども、今のペースで建築廃材が捨てられていくということになりますと、これはもう大変なことであります。将来、熊本県下、その安定型処分場をどこに求めるか、恐らく資源的な関係からも大変な問題が出てくると思います。だから、そういう一企業でやれないところは共同で減量化する、あるいはそういうプラント工場を設置するというところについては、これは補助やあるいは融資制度を充実させるだとか、きのうのNHKの話にもあっておりましたように、例えば産業廃棄物業者の方々が銀行から融資を受ける、ほかのところへは簡単に出すけれども、まだ事業としての社会的認知がおくれておってなかなか融資が受けられないという、こういう話もあっておりました。しかし、事はもうそういう問題では済まされない。これは当然静脈産業としての必要性があるわけでありますから、補助や融資制度を充実させるということについても取り組んでいくことが大事ではないかというふうに思っているところであります。そのことを申し上げておきたいと思います。 そこで、産業廃棄物処理状況の概要について質問をいたします。 次に、産業廃棄物処理に関する諸問題について、私なりの提言を交えながら質問をしたいと思います。 まずは、産廃処理状況の特徴的な点についてお尋ねいたします。一番、県内の産業廃棄物処理関係許可業者数、収集、運搬、最終処分あるいは一貫、どれくらいいらっしゃるのか。二番目に、産業廃棄物排出事業者数と廃棄物の現在総量、どれくらいこの年度に廃棄物が排出されているのだろうか。また、将来どれくらいの率で伸びていくのだろうか。そこで三番目に、最終処分場の数であります。安定型、管理型、遮断型、そしてそれぞれの最も重要な残余能力、あと何年ぐらい処理できるんだろうか。このことをお答えをいただきたいと思います。  〔環境公害部長佐藤幸一君登壇〕 ◎環境公害部長(佐藤幸一君) 産業廃棄物処理状況の概要についてでございますが、まず産業廃棄物許可業者数につきましては、収集運搬業者の方が三百三十四業者、それから中間処理と最終処分をあわせ行っている業者が三業者、中間処理のみの業者が三業者、収集運搬と中間処理をあわせ行っている業者が二十四業者、それから収集運搬、中間処理及び最終処分をあわせ行っている業者が十九業者でございます。 次に、産業廃棄物排出事業者数と廃棄物の排出量、それから将来予測についてでございますが、農林水産業を含めた産業廃棄物の排出事業所数は二十一万七千事業所でございます。排出量につきましては、六十三年度の熊本県産業廃棄物実態調査報告書の推計では約七百三十万トンで、その後の伸び率の予測では年間四%と推定されております。 次に、最終処分場の数と残余容量でございますが、いわゆる水の管理が必要のない埋立地といういわゆる安定型処分場が二十四カ所、水の管理が必要な埋立地である管理型処分場が二十三カ所、有害物質の埋立地であります遮断型処分場が一カ所でございます。残余容量につきましては、平成元年度調査では、安定型処分場が約五十万立方メートル、管理型処分場が二十四万立方メートルでございます。なお、遮断型処分場につきましては約八千立方メートルでございます。 それぞれの施設はあとどのくらいもつかということでございますが、大体最終処分場を中心に考えますと、約一年から三年ぐらいで満杯になるというような状況でございます。  〔鬼海洋一君登壇〕 ◆(鬼海洋一君) 特にこの中で私が知りたかったのは、最後に御答弁がありましたように、それぐらい多くの排出物というのが発生をしていく、残余能力というのがどれくらいあるのかということが、これからの市民生活にとって極めて重要であるというふうに思ったからであります。 残余容量については、平成元年度調査では、安定型処分場が五十万立方メートル、あるいは管理型処分場については二十四万だったでしょうか、というような御答弁がありましたけれども、一番聞きたいことは、それが何年もてるのかということ。ちょっとあと一年有余だというお話がありました。私の持っている資料によりますと、今日段階でほとんどもう能力がないというような状況もあるわけでありますけれども、いま少し、詳しくその中身について御答弁をいただきたいと思います。  〔環境公害部長佐藤幸一君登壇〕 ◎環境公害部長(佐藤幸一君) まあ処理業者を中心と考えますと、大体、安定型が三年、それから管理型が約一年、遮断型が約一年と、こういうような状況になっています。  〔鬼海洋一君登壇〕 ◆(鬼海洋一君) 今後の見通しも聞きたかったわけでありますけれども、ちょっと質問で落としておりまして、あと私の次の質問とあわせてお答えいただければ非常にありがたいというふうに思っております。今後の産業廃棄物処理場の拡張といいますか、新たな設置の方向、計画等があればお示しをいただきたいと思います。 次に、産業廃棄物の適正処理と不法投棄防止対策、監督体制について御質問をいたします。 私、きょう、産業廃棄物の不法投棄の写真というのが私の手元に実は寄せられておりまして、ちょっと御紹介したいと思います。 先ほどグリーンイシューということで知事の方からお答えをいただいたわけでありますけれども、非常に不法投棄が最近ふえておりまして、この不法投棄という現状をどういうぐあいになくするかということが最大の課題になっているわけであります。 きょう──これはですね、もう大変な写真であります。(写真を示す)ドラム缶ですね、ドラム缶ですよ。これはもう恐らく一般ごみではないかというふうに思います。一般ごみであります。(「どこですか」と呼ぶ者あり)これは県内某所でありまして、これは恐らくもうドラム缶が壊れております。(「それはどこですか、場所は」と呼ぶ者あり)建築廃材──これはわかりますけれども、ここで申し上げるわけにはまいりません。きょうはそれぞれの業者を告発するということが私の本題ではありませんので、そのことについてはきょうは申し上げられませんけれども、近年のマスコミ報道でも特集を組まれる機会が多くなりましたが、取り上げられる不法投棄は後を絶ちません。今年度から民間監視員を委嘱され、民間の力をかりながら不法投棄を防止する対策がとられましたが、効果を期待したいものであります。 ところで、法二十条によりますと、環境衛生指導員の設置が義務づけられ、十九条一項によると、立入検査や廃棄物の処理に関する指導の義務を付与されているわけであります。昨年度の立入検査数、改善指導数、処分件数はどうであったのか、お答えいただきたいと思います。 また、先般の朝日新聞五月三十日付朝刊で報じられている不適正処理二社、紹介されていますが、これはもう問題は重大であります。特に今後のこの産業廃棄物行政を進める上で、廃棄物協会との関係をどうしっかりしたものにしていくのか、このことが非常に重要ではないかというふうに思っております。その辺の問題についてお答えいただきたいと思います。 さらには、不法投棄防止対策について、十分県警と連携を密にした取り組みが必要な段階に来ていると判断しておりますが、不法投棄防止対策についてお答えをお願いしたいと思います。 続きまして、マニフェストシステムの実効性について御質問いたします。 県は、四月一日から、産業廃棄物の不法投棄や不適正処理を防ぐ目的で、伝票方式による積み荷目録制度、つまりマニフェストシステムを導入されました。厚生省が六月一日からであり、一歩先んじた対応として高く評価をされるところであります。 ところで、このマニフェストシステムの導入は、医療関係機関を含む九万六千の工場、事業所、農家などを対象に、排出された産業廃棄物の処理について、排出事業所、収集運搬業者、中間・最終処分業者の各段階で、処理日、廃棄物の種類、量、処分の方法などを、五枚つづりの伝票──これがマニフェストシステムで使用される伝票でありますけれども、事業所保管、そして運搬業者保管、さらに最終処分業者保管、県なり市が保管をして産廃協会が保管をする、そしてこれが最終的に回ってきて、こことこことを突き合わせて違法がなかったかどうかを調査をする、あるいはそれをなくするための管理システムの一つの伝票方式でありますけれども、こういうものが発行されるわけであります。そして、この伝票は収集運搬業者が産廃協会から購入をして排出事業者に持参することになっています。そしてこの五枚の処理伝票のうち、先ほど申し上げましたように、二枚は監督機関と産廃協会で保管をし、適正処理状況をチェックすることになるわけであります。現行体制のもとで、一体、だれが、どのようにチェックをするのであろうか。しかももっと大切なことは、排出事業者数九万六千であります。そしてその処理ポイントを握るのは、先ほど紹介いたしましたように収集運搬業者であります。収集運搬業者が持っていって、事業所、つまりこのごみの入り口から保管をするその中心的存在が、実はこの収集運搬業者であります。その流れの中で入り口を完全にフォローできるのであろうか、この素朴な疑問であります。マニフェスト導入という安心感の中で、逆に不法投棄がふえるということがないように十分なシステム管理をいただきたい、そう考えております。 監督機関としてのチェック体制をどうつくるかという問題とあわせ、今出しました疑問についてどのように指導されようとお考えなのか、御答弁をお願いをいたします。 続きまして、医療廃棄物の適正処理体制であります。 厚生省は、昨年十一月十三日、各都道府県知事、政令都市市長にあて「医療廃棄物の適正処理について」の通知を発送いたしました。ことし四月一日から医療廃棄物ガイドラインに沿った医療廃棄物の処理を行えというものでありました。 昨年五月には、福岡県の山中に注射針や採血ガラス管などを大量に不法投棄していた福岡市内の産廃業者が福岡県警に摘発され、同社に処理委託していた総合病院も同容疑で書類送検されております。また八月には、山口県において、得意先の医師から使用済み注射針二千九百本の処理を頼まれた薬品会社員が海水浴場に不法投棄し、大問題になった事件もマスコミ報道で御案内のとおりであります。アメリカ等でも、不法投棄された医療廃棄物に触れた子供たちがエイズに感染した事例や、国内でもB型肝炎に感染した事例など、近年医療廃棄物をめぐる極めて心配すべき問題が多発しており、その安全処理が大きな関心事であっただけに、ガイドラインの処理方針は当然の方針であると言わざるを得ないわけであります。 そのガイドラインの特徴は、排出事業者の責任を明確にした上で、各医療機関は管理責任者を置き、ごみの処理計画をつくる、感染性廃棄物はごみと分け、収納容器には危険性をあらわす表示をつけて、原則として焼却、滅菌処理を行う、業者委託処理については適正な処理の有無を確認をする、さらに、収集運搬については他のごみと分けて収集をするとなっております。また、並行してマニフェストの導入を義務づけているのであります。つまり、収集運搬の過程の中で接触の危険をなくし、最終処分などで仮に接触しても感染の危険をなくする、あわせて不法処理をシステム上起こさせないというものであります。 ところで、今日までの医療用廃棄物の処理については、そのほとんどが一般ごみと一緒に処理されております。当然にその収集運搬、処分過程の中で、焼却もしくは滅菌という中間処理が義務づけられたわけであります。これまで一般ごみとして収集に当たってきた各市町村としては、その対応を迫られることになりましたが、実はその対応は非常に難しいわけであります。医療用廃棄物の取り扱いを断らざるを得なくなった市町村も数多く生まれてしまいました。先ほど申し上げたとおりであります。 今回のアンケート調査でも、十九の町村で取りやめられたと記されており、恐らくは、私のところに集まったのは五十五自治体でありますから、九十八自治体で見てみますと、もうかなりの数に上っていると推測されるわけであります。そこで病院としては、業者委託か自己処理せざるを得なくなりました。自己処理できる能力を有するところは極めて病院の中では少数であります。ほとんどが業者に委託をしなければなりません。ただいま紹介したことが、ガイドラインを導入したことによって伴う医療機関と処理事業者との関係であります。 そこで、次の新たな問題が派生することになりました。小規模医療機関の収集体制の問題、特に医院とか小規模病院、こういうところはなかなか難しい。あるいは低温度中間焼却処理、中間処理ができるところでも低温度中間処理でありますので、これは塩化ビニール系統を燃やすわけでありますから、そこに有毒ガスが発生をするだとか、こういう二次公害の危険性の問題が出てまいります。最も重要なことは、安全処理を行うための処理施設が県内に存在しないという問題であります。 実はガイドライン作成前に、熊本市によって医療廃棄物の処理実態が医療機関へのアンケート実施によって明らかにされております。例えば、これが恐らくお手元に配られているんではないかというふうに思いますけれども、熊本市が発行したアンケート調査内容であります。廃棄物委託処理業者の許可証を確認もせずに、この医療廃棄物を委託をしていたという病院が四割もあるわけであります。さらには、付近住民から、先ほど言いましたように中間処理をする、その苦情が焼却炉の灰によるものが非常に多いということ。あるいは、これを眺めてみますと、これは余談でありますけれども、例えば手術をしたものをどこで焼却するかというですね、例えばホルマリン保存をするとか、これは臓器等ですね、火葬場へ持っていって焼却処分をするだとか、こういうお答えをしたところもあるわけであります。この実効性をめぐって、そういう調査内容というのができたけれども、極めて厳しいと、実際処理ですね。したがって、逆に不法処分の件数がふえることが懸念されるんではないかと、そう思っております。 そこで、ガイドラインに沿った処理体制についてどのように把握され、また、最大の課題である処分場の受け皿づくりについてどのように対応しようとしておられるのか、その方向性についてお答えをいただきたいと思います。 続きまして、公共関与の必要性とモデル処分場の設置について御質問をいたします。 知事は、せんだっての代表質問の中で、公共関与の方法、一歩二歩も踏み込んで考えていきたいというそういう答弁をされました。これまでの廃棄物処理行政の中で非常に大きな前進だというふうに受けとめておりました。そこで、この公共関与という表現は一体何を意味するのか、その中身について具体的に示していただきたい、そのことが質問の第一点であります。 私は、これまで処分行政を取り巻く数々の問題について指摘をしながら、あわせて具体的な提言を行ってまいりました。さらに、六月議会の知事の言葉を引用するとすれば、今日の産業廃棄物処理行政にとって、その処分場の確保が焦眉の急となっているのであります。隣の福岡県では既に、これまた後でお答えいただくであろうと思いますけれども、庁内に福岡県産業廃棄物広域処理推進協議会、庁内では推進委員会、これは副知事を委員長として各部長さん方の参加による委員会を設置して全庁的な取り組みに発展をいたしております。あるいは先ほどブロック協議会の問題を言いました。それから、お答えいただきました広域的なこの協議会の問題もありましたけれども、既にその中で発足をされながら第三セクターの処分場をつくるということで、平成三年度に設置を一つの目標とするその動きが実は進んでいるわけであります。 公共関与の具体的な方法として最も望まれるのは、やっぱり県直営なり、あるいは第三セクター、こういうことで処分場を具体的につくると。これは法律でも県としての責任として、県としての事業として処分場を持てるということで許可をされているわけでありますから、そういうことが非常に大事ではないかというふうに思っております。特に、その処分場についてもモデル処分場の建設をしてほしい、そのことを強く求めたいと思います。 今回通産省では、産業廃棄物を効率よく回収、再利用する新しい再資源化工場を第三セクター方式で各地に設置するリフレッシュタウン計画がまとまりました。今年度から事業化調査をすることになりました。また厚生省では、廃棄物処理二十一世紀計画をまとめたようであります。全国的な新たな動きが始まる中で、私たち自身も大胆に発想の転換を図るべきではないか、そう考えております。例えば、これまでの処分場は汚いもの、臭いもの、あるいは危険なものというイメージが定着しておりますが、あるいはまた、そのような運営が中でもなされているところもあるんではないかというふうに思います。しかし、この形態での処分場では、これはもう何回も何回も指摘されておりますように、住民合意を得ることは極めて難しいというふうに思っております。 この問題を現実的に解決するためには、焼却余熱を利用しての市民植物園を併設するとか、あるいはきのう、おとといの新聞でしたか、この都市型の廃棄物処理場から出る余熱を利用して、クーラーあるいは暖房、こういうものに利用するだとかという、そういう技術的な援助による解決の方法、あるいは処分場の埋立完了地を市民公園として開放するなど、こういう市民生活とのかかわりが持てる処分場の企画などが大切であろう。あるいはまた、安定型、管理型ありますけれども、これは浸透水が出るわけであります。この浸透水が、どういう浸透水が出るかと非常に心配されています。ここを一つのプールをつくって、そこに金魚やコイを生かして、その日常の危険状況を常に住民が監視といいますか、把握できるだとか、そういうような発想を図りながら、それをやれるのはやっぱり行政関与できる処分場ではないかというふうに思っておりますので、そういうモデル処分場を建設されたらいかがかと思いますが、いかがでありましょうか。 次に、市町村の意見書の取り扱いと法改正に向けての取り組みについて御質問いたします。 県は、昨年八月二十三日、各市町村長あてに衛生部長名で「産業廃棄物処理施設設置に係る環境公害防止協定等の市町村長の意見について」という通知を発送されております。中身はこれでありますが、これはくしくも、七月十五日、新聞で菊池問題が発生したその直後であります。八月二十三日付でありますが、その言わんとする中身は、廃棄物をめぐる社会情勢の中で、意見書の果たす役割が、設置反対という提言に変わり、施設整備が維持できないという憂慮すべき状況にあります。つきましては、意見書を作成するに当たっては、他方との整合性及び施設設置に当たって特に留意すべき点についてのほか、市町村の立入権限の確保、処分実績説明書の改正など、住民の不安感の解消につながる内容を可能な限り盛り込んだ環境公害防止協定意見を述べられるようお願いしますと。つまりこの中では、具体的に反対を明示するなというような、こういう通知が出されておるわけでありまして、今申し上げましたように、これを受け取った各担当者の方々も、これは反対という、あの菊池の紹介をされて、菊池市から出されてまいりました設置反対という、そういう意見書というのは書けないんだなと、書くことはできないんだなというふうに理解をされているようでありますけれども、これはもう住民生活に極めて大きな影響を来すおそれのある施設設置について、住民の意向に沿った意見書送付ができないとすれば、事は重大であります。 問題処理の現在の困難さの解消というのはそういうことではないんではないか。そのようなことで本問題が前に進むなどと考えておられるとすれば、事態の認識に基本的に問題があり、余りにもこそくと言わざるを得ないというふうに思います。本意見書の送付に至った経過と考え方をお示しいただきたいと思います。 ただ、このことについては、本来法的義務に基づくものではないので、直ちに廃止せよという意見があることも承知しております。したがって、このことは、今日の廃棄物処理行政がよって立つ法律である廃棄物の処理及び清掃に関する法律の現実的な不備を物語るものであります。 この法律は、一九七〇年の公害国会で、大気汚染防止法、水質汚濁防止法とともに成立しました。当時は、熊本では水俣病が、四日市コンビナートでは大気汚染、ぜんそく被害が問題となり、公害垂れ流しと酷評を買っていたころであります。ともかくこの廃棄物処理法は、その目的に生活環境の保全を掲げ、産業廃棄物の概念を導入し、事業者責任を定めるなどして廃棄物の処理をシステム化したものであります。しかし、この二十年、産業の急激な発達、生活環境の質的変化、住民意識の変化の中で、現行の廃棄物処理法の不備が明らかになってきており、今法改正の動きが急速に起こっております。事業者責任の法的義務の強化、罰則規定の明確化、処理場設置許可に関する地方自治体の権限の拡大、住民合意の原則などを挙げることができると思います。また、出されたごみについて、処理することから一歩進み、排出についての規制、適正処理困難物に対する事業者の義務と責任の明確化、さらに自治体の処理費用に関しての事業者の分担方法、あるいは処理・処分場建設の財政的裏づけ等々問題は山積している現状で、法体系の整備が今や緊急課題となっているのであります。 私は、法改正に向けて県の積極的なアプローチが重要な時期だと判断しておりますが、この問題についてどのように考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。 それと同時に、県として法の不備を補足し、さらにはグリーンイシューとして掲げた基本理念達成のためにも、独自の立場での条例化制定に向けての取り組みが必要であろうと思うわけであります。菊池市では水源条例が今六月議会に提出されるようであります。知事の六月議会提案理由説明で行われました地下水質保全要綱の条例化、環境基本条例が一刻も早く制定されますことを期待しながら、二つの質問への答弁をお願いしたいと思います。  〔環境公害部長佐藤幸一君登壇〕 ◎環境公害部長(佐藤幸一君) 最初に、先ほど今後の計画中のがあるかということでございましたが、現在処理業者の分といたしまして十七カ所の計画があるやに伺っております。県に事前協議中のものがそのうち二カ所ということでございます。 それから、廃棄物の適正処理と不法投棄防止対策についてでございますが、平成元年度におきます衛生指導員による立入検査数が二千六十八件でございます。このうち百六十三件について改善をしております。行政処分としての許可の取り消し、あるいは停止等の行政処分の事例はございません。 また、業界の育成指導につきましては、社団法人熊本県産業廃棄物協会が昨年四月に設立されましたが、その目的は、産業廃棄物の適正処理、再生利用等を積極的に推進することによりまして、生活環境の保全、産業の健全な発展、それから資源の効率活用を図り、もって県民の福祉の向上に寄与するとされております。協会の自主的な活動としての業界指導やその育成が基本的には必要なことでございますが、県としては、その目的が十分達成できるように支援いたしますとともに、御指摘のありました点につきましては、今後十分留意し、指導してまいりたいと思っております。 次に、不法投棄等不適正処理防止対策についてでございますが、基本的には不法投棄を行う人と事業者のモラルの問題でございますが、住民あるいは事業者に対しましては、廃棄物に対する意識の向上に努めてまいりたいと思います。特に悪質な違反者に対しましては、県警との連携をさらに強化いたしまして、厳格に法を適用していきたいと考えております。 次に、マニフェストシステムの実効性についてでございますが、現在産業廃棄物の適正処理を徹底させる手段といたしましてはマニフェストシステムが最も有効と考えられておりまして、本県では、本年四月にそのシステムを導入しまして、その周知と円滑な運営を図るために、各排出事業者や社団法人熊本県産業廃棄物協会の協力を得ながら、このシステムの定着に最大限の努力を行っているところでございます。 排出事業者数は、農林水産業を除きますと大体九万六千業者に上ります。産業廃棄物の流れが十分フォローできるかとの懸念につきましては、そのうち全排出量の約九八%を占めます製造業者等の約四万の事業者について既にシステムに登録しておりまして、産業廃棄物の種類、量、性状を捕捉できるようになっております。今後完全に捕捉できるように努めてまいりたいと思っております。 なお、チェック体制につきましては、本県と熊本市の環境衛生指導員が、毎月月末に収集運搬業者から報告されます伝票をチェックすることとともに、協会で集計されましたデータをもとに、排出事業所などを立入検査し、排出量と処理量が適正であったか、また処理方法が適切であったかなどについてチェックすることにしておりまして、今のところ一応チェック体制はできているものと考えております。 次に、医療廃棄物の適正処理体制についてでございますが、昨年十一月、医療廃棄物処理ガイドラインが示されましたが、その実施に当たって、事前の指導周知に必ずしも十分でない面もあったかのようでございますが、一部に混乱が生じたことも承知しております。その混乱の主な原因であります注射針等の鋭利な感染性産業廃棄物の処理について体制を整備することにいたしまして、社団法人熊本県産業廃棄物協会に収集運搬体制の整備を依頼しますとともに、県内の企業、これはまだここでは申し上げられませんが、いわゆる金属を溶かす、いわゆる溶融して資源化するという最終的な処理を協力依頼をしているところでございます。その結果、数日中に試験操業が開始できることとなっておりまして、七月中には県内の全医療機関をカバーし得る本格的な処理体制がスタートできる見通しでございます。 なお、そのほかの医療系一般廃棄物等の処理につきましては、市町村による処理が必要となる部分もございますので、排出事業者である医療機関と処理者でございます市町村との相互理解が必要でございます。そのために円滑に処理されるようにその指導を行ってまいりたいと思っております。 それから、公共関与の意味とその中身についてでございますが、もともと産業廃棄物排出事業者がみずから処理するのが原則となっておりまして、公共関与とは、この自己処理責任の原則に相対する言葉として使われております。一般的には、広域的に処理することが適当であると認められる産業廃棄物の処理、排出事業者等に対する公的資金のあっせん、それから処分場の用地の仲介あっせん、産業廃棄物処理に関する研究開発などが考えられておりまして、本県におきまして四月からスタートしましたマニフェスト制度も公共関与の一つでございます。先日、深水議員にも知事からお答えがあっておりましたように、公共関与に関しましては、今後一歩も二歩も踏み込んで、どういう点にどう対処したらよいかというのを検討したいと思っております。 次に、モデル処分場の建設についての御提案でございますが、今後の廃棄物処理場の用地の確保や運営について、一つの方向を示す貴重な御提言として受けとめております。今後各界の御意見を伺う中で十分参考にさせていただきたいと思います。 それから、市町村の意見書の取り扱いと法改正に向けての取り組みについてでございますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりますと、産業廃棄物最終処分場を設置する場合、一定規模以上のものは知事に対して事前に届け出を行うことになっております。最終処分場は、廃棄物を自然界に還元するプロセスで非常に重要な位置づけとなるものでございまして、設置するに当たりましては、いろいろな制約を受けながらも現在まではその確保がなされてきているところでございます。 この処分場設置届け出に当たっては、法的に義務づけられたものではございませんが、市町村の意見書を添付することとしております。これは、市町村が事前にその計画内容を知り、地域の特殊事情を加味し、特に留意すべき点、他の法令との関係、市町村独自の計画との整合性等について意見を述べていただくことを目的として、昭和五十二年から導入しているものでございます。最近、この意見書を添付することについて、当初の趣旨についての理解が薄れてきた傾向が見られますために、先ほど先生がおっしゃいましたように、昨年八月二十三日付で、再確認の意味で改めて通知をしたところでございます。 次に、法改正に向けての取り組みについてでございますが、御指摘のように、現行法が制定されて既に二十年を経過しております。最終処分場の確保が難しくなっていることや処理が困難な廃棄物が増加してきていること、さらには廃棄物の資源化を進めていく施策が欠けていることなど多くの問題も生じてきておりますので、今後知事会を初め各種の機会を通じまして、現状に即した廃棄物の処理のあり方、必要な施策について国へ強く要望してまいりたいと思います。  〔鬼海洋一君登壇〕 ◆(鬼海洋一君) いろいろ申し上げたいことはあるわけでありますが、ちょっと時間が迫っておりますので、あとまた個別に御相談申し上げたいと思います。 最後に、廃棄物対策審議会の設置と産業廃棄物処理基本計画の見直しについて御質問いたします。 先般、テレビ報道で世界の廃棄物処理の問題が特集されました。たしかイタリーから船積みされた有害産業廃棄物がパナマに陸揚げされ、それらが不法投棄され、野積みされておりました。政府から告発されたその物質は、再び船に積み込まれイタリーの港にUターン、どこにおろすこともできず停泊したままという紹介でありました。また、我が国でも、大量発生する有害廃棄物の不法投棄の実態、さらに一般ごみの処分をめぐって、東京から高速道を経て仙台まで搬送されているという事実。県内では先ほどから申し上げているとおりであります。さらにもう一つつけ加えるとすれば、これは最近、地域の中でとみに聞くわけでありますが、処分場の設置をめぐって、山間町村の山林、原野が物色されているという事実。このことについても承知をしているわけであります。 本日、私は、廃棄物問題の今日的実態を体系的に明らかにいたしました。答弁で明らかなように、本県は既に産業廃棄物の処分があと一年ぐらいしか猶予ならない、その後は移出県になるわけであります。このことからおわかりいただけるように、既に廃棄物処理をめぐって大きな社会問題化しているいろいろな事実や、さらにまた、その解決に向けての現状は猶予できない事態であることを、知事初め執行部、そして議員諸先輩、マスコミの皆さんに知っていただき、県民の方々にもともに考えていただきたいと訴えたかったからであります。 問題は、その認識に立ってこれからどうするかであります。県庁内部では、ようやくにして組織機構改革がなされ、産業廃棄物対策室が発足しましたが、からい切れないような重い荷物であります。皮肉にも発足した段階で既に対策室のみでは対応できる状態ではないのではないか、そう思っております。全庁的な問題として、その課題解決に向けての取り組みをまず第一点として要請しておきたいと思います。やはりこの問題の解決に向けては、行政としての責任を明確にした上で、百八十万県民が現状をよく理解し、お互いの分野で努力をし合うという姿勢に立つことが事態解決の不可欠の条件と言えると思います。 そこで、知事に御質問をいたします。排出事業者としての企業や医療関係者、処理事業者、市民代表、市町村代表、学識経験者、県代表などを委員として、全県民的な立場での廃棄物行政を進める方策を検討してほしい。そのための審議会を発足させることが今やるべき緊急、最大の仕事だと考えますが、いかがでしょうか。 特に、基本計画が昭和六十年四月に策定されておりますが、これがその計画書であります。これはもう恐らくごらんになったと思いますが、その中身を見てみますと、書いてあることはもっともなことでありますが、現状分析、将来予測、処理・処分場の見通し、設置計画、それぞれの立場での努力目標など具体性に乏しく、現状から将来を見通すとき余りにも不十分であると言わざるを得ません。基本計画でありますから、少なくとも中期にわたる実効性ある内容にしなけりゃなりませんが、既に見直すべき状況にあると考えております。いかがでしょうか。 総括的な御意見を交え、以上三点について知事の御答弁をお願いいたします。  〔知事細川護熙君登壇〕 ◎知事(細川護熙君) 廃棄物につきまして、いろいろ具体的な御意見、御提案をいただきましたが、今後の廃棄物対策を推進する上で貴重な御意見を含んでおりますので、十分参考にさせていただきたいと思っております。 まず、全庁的な問題としての課題解決への取り組みにつきましては、産業廃棄物対策を中心に、廃棄物対策を総合的に推進するための庁内体制をとにかくしっかりと整備をしてまいりたいというふうに思っております。 また、廃棄物行政を進める方策を検討するための審議会の設置でございますが、現行法のもとにおきましては、産業廃棄物処理計画の策定に当たって公害対策審議会の意見を聞くことになっておりまして、同じ趣旨の審議会の設置は難しいと判断をしておりますが、しかしながら、審議会には専門委員を置くことができることになっておりますので、各分野における専門家の意見を聞くことによってその実効性を高めることができるということであれば、実質的にそれは御提言の趣旨と同じことであろうと思いますし、前向きにそういった意味で検討をしてまいりたいと思っております。 それから、基本計画の見直しにつきましては、ここ数年における産業廃棄物処理場確保の困難化など、廃棄物を取り巻く情勢の変化は著しいものがありますわけで、見直しが必要な時期に来ていると考えられますが、具体的なスケジュールにつきましては今後できるだけ早く詰めてまいりたいと考えております。  〔鬼海洋一君登壇〕 ◆(鬼海洋一君) 今知事の御答弁をいただきまして、現状の認識、あるいはまた将来の方策、このことについてはほとんど私自身も一致をする、そういう認識をいただいたようであります。積極的にお取り組みいただきたい、そのことを再度お願いしておきたいと思います。 きょうここにシリコンバレーにおける地下水汚染対策──これはもうシリコンバレー、御案内のとおりであります。有機溶剤が地下水に汚染をいたしまして、今や死の町に化すというですね、そういう厳しい状況に立ち至っているわけでありますが、もともと我が熊本県水俣病、これまた産業廃棄物からくる非常に大きな社会問題化を起こしたまず最初の県であります。ですから、この産業廃棄物行政については、一歩も二歩も、全国的にも、率先、先を行くようなそういう対応があってもいいんではないか。そのことも、これから具体的に始まるわけでありますけれども、あわせてお願いしておきたいと思うわけであります。 農業を取り巻く諸問題、実は三点御用意をいたしましたが、あと時間が五分に迫っております。したがって、このことについては質問ということではありませんで、既に執行部の方々とも内容については詰めをいたしております。せっかく取り組んでいただいてまことに申しわけなく思いますけれども、米の市場開放阻止に関する県の対応、あるいは農業コンセンサス、これができまして、やっぱり県民に農業が抱えている役割を具体的に示し、そしてそのことを力として市場開放阻止に対する対応、対策というのが必要だというふうに思っております。 当面するイ業農家の問題、このことも非常に重要な問題であります。積極的に対応をいただきますようにお願いを申し上げ、質問は省略させていただきたいと考えております。 最後になりますが、これも要望でお願いを申し上げたいと思います。 県道三角松橋線、それから農免道、八代から不知火に至る農免道があります。これからの流れによる松橋町内のこの交通渋滞というのが、これは極めて厳しい状況であります。最近は、九州縦貫道から松橋インターを経て、それから三角、天草に向かうというこういう流れも出てきておりまして、三角松橋線の改良工事が進行いたしておりますが、ここが日曜祭日等は、例えば三キロから多いときは五キロぐらい渋滞をするという新たな状況になってまいりました。この前、建設常任委員会、宇城視察をいただいたときにも、地元の方から御相談があっているところでありますけれども、今松橋町で都市計画も同時に進められているところであります。この松橋町の地元の都市計画とあわせながら、県の方でもこの渋滞解消策としての格段の取り組みをいただきますようにこの際お願いを申し上げたいと思います。 以上、私、今回の質問これですべて終了をいたしました。質問の言葉の中で不適切を欠いた言葉遣いをしたこともあるんではないか、そのことを実は憂慮いたしております。しかし、考えておりますことは、この中で申し上げましたように、私たち全体が、社会党だとか自民党だとか、あるいは執行部だとかということではなくて、今考えていかなきゃならない極めて重大な社会問題の一つが産業廃棄物だというふうに認識をいたしております。したがって、そのことに対する対応をお訴えいたしました。意のあるところを御理解いただきまして、お許しをいただきたいと思います。 まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(北里達之助君) 昼食のため午後一時まで休憩いたします。  午前十一時三十四分休憩      ───────○───────  午後一時四分開議 ○副議長(鏡昭二君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 広瀬博美君。  〔広瀬博美君登壇〕(拍手) ◆(広瀬博美君) 公明党の広瀬でございます。党を代表しまして一般質問を行いたいと思います。 まず最初に、天草海洋リゾート開発の諸問題についてお尋ねをしたいと思います。 熊本県は、ことしの三月、リゾート法に基づき、国に対して基本構想の承認を申請しました。基本構想によりますと、対象地域は、天草・三角地区の二市十四町に八代市の大築島を加えた九万三千ヘクタール、このうち重点整備地区、三角・大矢野、五橋、本渡・五和、上天草・西海岸、牛深の六地区となっています。県は、この構想を県政の基本理念である田園文化圏の創造の一環と位置づけ、天草地区の歴史、文化、自然環境と調和のとれたリゾート開発を図ろうとしております。そこで、近々指定を受けるリゾート構想の諸問題について質問をしたいと思います。 第一点は、民間企業の誘致対策についてであります。リゾート開発を進めていく県にとりまして、民間事業者の参入をどう確保するかが大きな課題の一つとなっています。リゾート法によって、民間事業者に税財政、金融上の特別措置、公共施設の重点的整備などの支援策を講じるとしていますが、県としても民間企業の地方進出を促すためにも県独自の優遇策を検討する必要があると思いますが、県の考え方をお聞きしたいと思います。 次に、地価対策についてでありますが、土地の投機的取引が全国的に問題になっておりますが、リゾート開発の初期投資額が大きければ大きいほどその利用価格へのはね返りも大きくなることが考えられますので、しっかりとした地価対策が必要であると思います。そこで、国土利用計画法に基づき監視区域の指定が必要と考えますが、いかがでしょうか。 次に、公共施設の整備方針についてであります。国及び地方公共団体は、特定施設の整備とあわせて、リゾート地域の整備に必要な道路、飛行場、下水道、公園、緑地、広場、河川等の公共施設の重点、計画的かつ着実な整備に努めることになっています。そこで、その方針についてどのように整備を図っていかれるのか、お尋ねをします。特に天草空港問題では採算性の問題などで心配をされていましたが、天草空港建設の見通しについてお尋ねします。 次に、水資源の確保対策についてであります。リゾート開発に伴う水不足が心配されています。県による新たな開発必要量は、平成十二年度で生活用水三百十万トン、工業用水二百二十万トン、農業用水六百万トン、水産用水二十万トンと言われていますが、具体的にどのように水資源を確保されるのか、お尋ねしたいと思います。 次に、リゾート情報網の整備についてであります。旅館、特産品などの予約や名所旧跡、味覚、交通状況等の情報サービスの提供が当然必要になってくると思いますが、どのように考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。 次に、ソフト面の整備についてでございます。これも大変大事な問題でありますが、地域特性を生かした国民的、国際的なイベントの創設を考えてはどうか、あるいは文化資源を利用した計画はどうかと思いますが、ソフト面の整備についてはどのように考えておられるのでしょうか。 次に、景観形成地域の指定についてであります。前々から指摘をされていますが、指定を受けますとリゾート関連施設や商業施設の立地が予想されますが、そこで、天草の景観と自然を守るためにもぜひとも指定が必要であると思います。 以上の点について知事の答弁をいただきたいと思います。  〔知事細川護熙君登壇
    ◎知事(細川護熙君) まず、リゾート関連企業の誘致につきましては、かねてから県としても取り組んできたところでございますが、昭和六十二年、いわゆるリゾート法が公布、施行されたことに伴い、昭和六十三年度から本県の補助金や融資制度など企業誘致のための優遇措置の対象にリゾート関連企業も含めることにしてその誘致に努めてきたところで、今後とも、リゾート関連企業を誘致するための方策につきまして、さらに検討をしてまいりたいと思っております。 それから次に、地価対策についてのお尋ねでございましたが、天草地域の地価、土地取引の動向につきましては、現在のところは安定的に推移をしております。ただ、リゾート地域につきましては、指定を受けた二十一道府県のうち十六府県が監視区域を指定しておりまして、リゾート地域の指定によって土地取引が活発化することも考えられますので、本県におきましても、監視区域の指定の必要性について、他県の例を参考にしながら今検討しているところでございます。 それから、公共施設の整備方針についてでございますが、民間事業者によるリゾート施設の整備とあわせて、リゾート基地の基盤となり、また、民間の開発を誘導する道路、ダム、港湾、海岸などの公共施設の整備を今後とも積極的に進めていくことが必要であると考えております。このうち、特にリゾート基地へのアクセス道路の整備を進めますとともに、拠点開発地区相互の連携を強化する道路の整備を促進をしていかなければなるまいと思っております。また、海岸線におきましては、人工養浜の整備や緑の保全、復元を行うことによりまして、白砂青松のなぎさづくりを進める海岸の環境整備事業を積極的に進めてまいりたいと思っております。 天草空港建設につきましては、航空法の手続が完了した後、設計調査、用地買収を行い、建設に着手することになるわけでございますが、現在は、飛行場設置許可申請をするため国と協議を重ねているところでございます。今後とも地元の協力を得まして、できるだけ早い時期に設置申請を行い、建設促進に努めてまいりたいと考えております。 いずれにしても、リゾート基地建設に関連する公共施設の整備計画につきましては、基本構想の承認後関係省庁との協議を行い、本年度内に策定することにいたしております。 それから、水資源の確保対策についてでございますが、御承知のように、天草地域は、地形的あるいは地質的な要因から大きな河川がなく、また、地下水も少なく水資源に恵まれていない地域でございますので、熊本県長期水需給計画におきましても、今後の社会経済の伸展によっては水不足が予測されているところでございます。そこで、県としても、天草地域の水資源開発のため、亀川ダム、教良木ダム、五和ダム、都呂々ダムなどを建設をいたしまして積極的に取り組んでまいりましたが、現在も新規水資源開発のためのダム建設の適地調査をさらに実施をしているところでございます。また、地元市町におきましても、牛深市の第二ヤイラギダムのかさ上げや竜ケ岳町の海底送水量の拡大など、水資源確保の方策を講じております。 天草地域における水資源確保は、天草リゾート開発に限らず天草地域の発展に欠くことのできない重要な問題でございますので、さらに安定的な確保を図るために、利水に関する関係市町の意向との調整を図りながら、水資源の確保に努めてまいりたいと思っております。 それから、リゾート情報網の整備についてでございますが、現在超魅力くまもとキャンペーンやKINGS情報などによりまして、地域の観光情報やイベント情報などの提供がなされておりますが、今後リゾート施設整備が進むにつれて、ホテル、旅館、特産品の購入などの予約や交通情報など入り込み客に対するさまざまなサービスを行う情報網の必要性はますます高くなってくるものと思われますので、今後とも関係機関とも連携をとりながら検討してまいりたいと思っております。 それから、ソフト面の整備につきましては、基本的には、一昨日設立されました天草海洋リゾート基地建設構想推進協議会など、地域の方々の自発的な企画によって進められていくものと期待をしておりますが、県としては、本渡、牛深のハイヤ祭りや国際トライアスロン大会、また、パールラインマラソンなどの既存の祭りやイベントをさらに振興するほか、天草の歴史や文化に触れる施設の整備を進めまして、また県民文化祭などをも通じまして、新たな地域文化の創造を図っていきたいというふうに思っております。 それから最後に、景観形成地域の指定についてでございますが、景観条例では、熊本県の顔となる地域で、計画的な景観形成が望まれる地域を景観形成地域として指定することとしておりまして、天草地域につきましては、恵まれた自然とその歴史、風土を生かした魅力のあるリゾート景観の形成を誘導する必要がございますので、本年十月の指定を目指して現在作業を進めているところでございます。  〔広瀬博美君登壇〕 ◆(広瀬博美君) リゾート関係の答弁をいただきました。 質問をする前に、天草の西岡先生にいろいろリゾートのお話を聞いたわけでありますが、地元の期待も非常に大きいわけでありますが、やはり企業誘致については、大企業だけではなくて、やっぱり地場企業、例えば民宿とかそういったところが潤うような、そういう企業誘致政策をとってほしいなと、こういうふうに西岡先生も大変心配をされておりました。私も全く同感でございます。大企業の方は、出てくるとも早いけれども退散するも早いと、これはもう全国の例にあるとおりでございます。どうかこの地元のためになるような企業誘致に全力を挙げていただきたいと、こういうふうに思います。 それから、公共施設の整備の中で道路問題も申し上げたんですが、皆様御承知のとおり、道路問題については、もういろいろな先生から本会議でも論議をされておりましたし、特に天草の道路問題は、熊本県の九十分構想で最後に残ったのが天草でございまして、やはり本渡まで行くのに二時間、混んでいるときは三時間、それからもう夏場なんかになるともっとかかるというようなことで、これはもう道路問題は県政の最重要課題として取り組んでいただきたいなと、このように思うわけでございます。 それから、水問題でございますが、天草の先生方も大変水問題については御苦労されておるわけですが、本土と比べますと天草の水の値段というのは二倍以上すると、特に牛深市の水が高いということで西岡先生も大変いつも心配されているわけですが、こういった水問題も、特に天草あたりでのダムの建設というと、なかなか一朝一夕にはいかいない、非常に難しい、金もかかる、時間もかかる、そういう中でどうやって水を確保していくかというような、これはもう非常に大きな問題でございまして、いろいろな関係者の方も、どうやって水を確保するかということで頭を痛めておられるようであります。また、ある学者によりますと、もう本土から水を送水した方が安いんじゃないかと、そういったことも言われる学者の方もおられるようでありますが、いずれにしましても、今申し上げましたいろいろな問題について、ひとつ全力を挙げて取り組んでいただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。 次に、環境問題についてお尋ねをいたします。 「地球規模で考え、地域的に行動する」という言葉があります。これは、地球環境の破壊にストップをかけるために世界各国で行動が行われたアースデー、地球の日、一九九〇年のテーマであります。熱帯林の消滅、フロンガス放出によるオゾン層破壊、降り注ぐ酸性雨、あふれる廃棄物といった環境汚染は、個人や生活と深く結びついていますが、問題は、地球規模であってもその解決には足元からの対応が必要であります。 こうした考え方が我が国でも次第に浸透し始める中で、地方自治体においては地球環境問題への取り組みがようやく目立つようになってきました。環境庁の調査によりますと、全国四十七都道府県、十一政令都市の五十八自治体のうち、地球環境問題に対して何らかの取り組みを行っている自治体は五十一で全体の約九割、そのうち北海道、東京都、長野県、名古屋市など八団体では、地球環境問題連絡会議など地球環境保全に取り組むための庁内組織を設けております。そのほかに二十八団体でも計画中であるということでありますが、その具体的な取り組みを見ますと、調査研究活動、普及啓発活動、それとシンポジウムなどの国際会議の開催が主なものであります。また、酸性雨については、国からの委託調査も含め、五十八団体で雨の成分を調べたり、土壌、樹木への影響などの調査が行われ、十二団体でフロンガスの大気中の濃度測定などを実施しています。地球温暖化では、埼玉県など三団体で二酸化炭素の濃度測定が行われています。 そして、最近ブームとなっているのが再生紙使用の機運の高まりであります。資源保護を目指し、行政事務のコピー用紙などに再生紙の使用を義務づけていますが、その中で、茨城、千葉などの十七団体では全庁的に実施され、一部使用のところは三十六団体、また、低公害性が高いとしているメタノール車を行政用に導入しているところは七団体、電気自動車については四団体、そのほか八団体では低公害車普及のための融資制度を設けています。月一回マイカー使用を自粛しようというノーマイカーデーも大阪府などの各地で実施しています。また長野県では、バス、鉄道利用促進デーとして月二回実施しています。九団体でパンフレット、広報紙を通じて啓発活動が行われ、環境問題をテーマにした途上国との交流も盛んになっています。 新設ゴルフ場の農薬禁止を打ち出した千葉県は、県立公園での農薬散布禁止も決めています。千葉県松戸市は、ごみ急増に歯どめをかけようとゴミを減らす課を誕生させ、埼玉県庁を初め各地で役所食堂の割りばし追放の動きも始まっております。 以上、全国の動きについて紹介しましたが、各自治体では、多彩な環境対策が県民総ぐるみで地球を守る運動を展開しています。 一方、本県では、グリーンイシューの一環として再生紙の導入などを実施していますが、環境保護の取り組みとしてはまだこれからといったところであります。再生紙の使用についても、環境保護の一種のシンボルのようなもので、よそがやっているからうちでもという程度ではなく、地に足の着いた取り組み、そして先見性のある思い切った施策の展開が求められているところであります。 そこで、きょうは、地球環境保護の問題を初め幾つかの問題について質問をしたいと思います。 近年の国民生活の向上、消費活動の拡大や多様化、経済・産業構造の著しい消費の変化、資源エネルギー消費の増大などが、大気汚染の悪化やごみ、廃棄物の増大をもたらしています。特にごみ、廃棄物の激増は、ごみ処分場の不足と相まって、ごみ、廃棄物の不法投棄や違法処理を増大させ、各地に環境汚染をもたらしており、ごみ、廃棄物の減量化並びに適正処理に関する抜本的な対策の確立が急務となっております。 現在ごみの排出量は全国で約五千万トンと言われています。熊本県下では五十四万トンとなっていますが、年々ふえてごみの増加率では全国の上位にあります。特に増加率の大きい熊本市では、くまもとダイエット一〇〇キャンペーンを展開、市民一人が一日百グラムを減らすというものでありますが、これによって、総量抑制になり、処理費用も年間五億二千万円節減になると見ています。一日百グラムはキュウリ一本分に当たりますが、それぐらいやってやれないことはないんではないかというふうに思います。 いずれにしましても、地域の環境を守るためには、ごみの減量とごみを資源として再利用するリサイクル運動を推進するしかないと思います。 厚生省は、六月二日、ふえ続けるごみ対策として、空き缶、古紙など資源ごみの分別回収、再利用を、民間団体に任せ切りにせず、自治体主導で積極的に推進するよう都道府県に異例の通知を出しています。 そこで、質問の第一点は、ごみの減量化についてでありますが、ごみの減量化は県民挙げての大作戦ということでありますし、県民総ぐるみ運動であります。一つの県民運動として、このごみを減らす運動を提唱したいというふうに思います。 次に、ごみ処理対策についてでありますが、一つは、家庭、事業所のごみ排出量の抑制策についてであります。二番目、古紙、再生紙など資源化のための分別収集対策をどう進めていくのか。三、地域協力体制づくりについてであります。ごみ問題は、こういったソフト面の取り組みと対策が大事になってくるわけですが、これらの問題についてどのように今後取り組んでいかれるのか、お尋ねをします。 次に、リサイクル運動の推進についてであります。一つは、再生紙の利用についてでありますが、現在は自治体で導入をしておりますが、官公庁だけではなく民間にまで広く啓蒙普及をしていただきたいなと思うわけであります。 次に、リサイクルの施設の整備についてでございますが、施設のない町村が現在ほとんどでございますが、リサイクル運動を推進する拠点といいますか、そういう意味でぜひ必要な施設でもありますし、早急に整備をしていただきたいなと思うわけであります。 次に、ごみ資源化、有効利用を推進するためにマニュアルなどが必要になってくるんではないか。普及啓発活動についてどのように考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。 次に、酸性雨対策についてお尋ねをします。 昨年八月に環境庁がまとめた第一回酸性雨調査報告によって、全国二十九のすべての調査地点で酸性度の強い雨が降っていることが明らかにされ、酸性雨に対する国民の関心が急速に高まっています。さらに同年十一月、国立公害研究所などの研究者グループにより、酸性霧、霧ですね、霧が日本各地で発生していることも明らかにされています。一方、本県におきましては、昭和六十三年十月から平成元年三月の期間に、苓北発電所にかかわる事前調査の一環として、苓北町と八代市において酸性雨の調査をしました。その結果、苓北町ではpH四・四六、八代市でpH四・四一の酸性雨が観測されています。 そこで心配されますのは、人体、森林資源、農作物、最近ではテレビでも出ておりましたけれども、コンクリート建造物、学校とかマンションとか、あるいは歩道橋などへの影響も出ているわけであります。東京農工大の戸塚教授の調査では、pH四から五の雨が降り続けば、十年後には深刻な被害が出ると予想しています。また外国の例ですが、西ドイツの例を見てみますと、五年間で一〇%から五〇%に被害が広がったという報告もあります。福岡県衛生公害センターによりますと、工業生産活動、火山、大陸の影響等さまざまな要素が絡み合っているが、九州の酸性雨の特徴で、この九州の酸性雨の特徴というのはそういったいろいろな要素が絡み合っているということであります。農業に依存し森林資源に恵まれている九州の方がほかの地域より被害を受けやすいと、こういうふうに指摘をしておるところでございます。 生態系を維持するためにも早急な対策が望まれるところでありますが、県下の酸性雨の実態とその対策についてお尋ねをします。 次に、ゴルフ場の農薬問題についてお尋ねをします。 熊本県では、ゴルフ場の農薬使用については、これまで農産物を対象とした安全基準を準用し、昨年四月に施行されたゴルフ場における農薬の安全使用に関する指導要綱で現在まで対応してきましたが、ゴルフ場では、農産物と違って大量かつ多種多様な農薬を使用、しかも報告は事業者を信頼するしかないという状況でありまして、この従来の要綱では、現在問題になっております水資源などの環境汚染の防止には役立たないということでございまして、現在県におきましても、安全指針確立委員会で検討して従来より強い行政指導ができるようにするとしていますが、規制する法律がないという以上、現行の枠の中でどうするかということでありますが、千葉県の例にありますように、やはり知事が先頭に立って無農薬化実現へ努力していただく以外にないのではないかと思います。 本年四月に千葉県が打ち出した全国初のゴルフ場の無農薬宣言は各方面に大きな驚きを与えました。問題の農薬禁止は新設ゴルフ場に適用されますが、知事は、既設のゴルフ場に対しても無農薬への協力を求める一方、病害虫に強い芝の研究を県農林部に指示、続いて県立都市公園内の農薬禁止を指示するなど、無農薬化への強い意向を示しています。こういう動きに対して協力を表明しておりますのが、県下の市長会と町村会が、県の方針に全面的な支持、協力を知事に申し入れております。 これは千葉県の例でございますが、この千葉県で無農薬を実践しているゴルフ場がございます。そのゴルフ場は成田スプリングスカントリークラブというゴルフ場ですが、これは昨年から無農薬化を試験的に進めて、ことしから全面無農薬化に踏み切ったというゴルフ場でございますが、まず、この除草薬をやめた分でございますが、雑草取りは人海戦術の手作業で対応していると。草取り専従の従業員が八人と、それからプラス、キャディーさんもホールアウトした後、夕方まで一、二時間草取りに応援していると、そういうことでございまして、虫対策の方は殺虫剤のかわりに鳥に食べさせるという作戦のようであります。お客さんの方からも、プレーに支障が出たり、お客さんから苦情が出たということは聞いていないということでありまして、いろいろな無農薬への試みが行われているということでございます。そのほか、全国の自治体においてもこういった無農薬化への動きが出てきております。まさに無農薬あるいは減農薬への試みは時代の流れであると思います。 そこで、県として今後無農薬化実現へどんな対策を進めていこうとされるのか、決意をお聞きしたいと思います。 次に、トリプトファン含有の健康食品の問題についてお尋ねをします。 L-トリプトファンは、アミノ酸の一種で、健康補助剤として食品や点滴成分などに含まれた形で使用されていますが、昨年後半、アメリカで我が国の大手化学メーカー、昭和電工製造のものを摂取した人の中で、筋肉痛などの健康障害が多発、二十一人の死亡者を出して関係者にショックを与えています。一方、国内においても女性二人が同様の症状を引き起こし、厚生省は、同社に回収を指導するとともに、原因究明へ調査を開始したところであります。一方、都道府県に対しても継続使用禁止を指導するよう通達を出しています。 そこでお尋ねしたいのは、安全性が問題になっているL-トリプトファンを原料とする医療品や健康食品が熊本においても広く出回っていると聞いておりますが、県民が何も知らずに使用して障害を引き起こしては大変であります。県民や関係機関への周知徹底についてはどのようにしたのか、被害者についてはいなかったのかどうか、また、実際にどのくらい販売、使用されたのか、その実態と回収状況についてお尋ねをしたいと思います。  〔環境公害部長佐藤幸一君登壇〕 ◎環境公害部長(佐藤幸一君) 環境問題の第一点の、ごみの減量化のための県民運動の提唱でございますが、ごみの減量化を図るためには、個人一人一人の生活スタイルや価値観、また、企業の経済活動のあり方といったものなどの基本的な見直しや転換が必要であろうと考えております。そのためには、社会生活を構成しているさまざまな立場にある者が、快適環境を維持、創出するための地道な取り組みを行いますとともに、それぞれがある程度の不便さやコスト負担などを覚悟することも重要となってくるのではと思います。このような考え方や行動を定着させるためには、御提案の県民運動の提唱は有効な方策の一つと考えます。今後、県といたしましては、県民はもちろんのこと、市町村や関係団体、業界の協力を得ながら、ごみ減量化のため意識向上の推進に努めてまいりたいと思います。 次に、ごみ処理対策についてでございますが、生活水準の向上によりまして家庭や事業所等から排出するごみの量は年々増加の傾向にあります。その処理に当たっております各市町村、一部事務組合におきましては、大変その対応に苦慮しているところのようでございます。 その対策につきまして、即効的で効果的な方法は今のところ見当たりませんが、ごみの発生から焼却ないし埋め立てまでの流れを考えますと、まず、ごみの発生源での抑制方策、排出源での区分け、すなわち分別収集の合理化、さらには再利用、資源化の方策等が考えられます。 御指摘のとおり、紙につきましては、古紙の再生利用、再生紙の利用拡大を図るなどリサイクルが必要であろうと思います。既に新聞、雑誌につきましては回収業者により再利用が図られておりまして、最近では、OA紙、いわゆるオートメーションによる紙でございますが、そういった紙や牛乳パックについても、徐々にではございますが、再利用が図られておるところでございます。 ごみの抑制対策、それから分別収集、再利用、資源化につきましては、各家庭や事業所などが個々に対応するばかりではなくて、校区単位とか市町村単位とか、広がりのある地域での協力体制のもとで行うことが効果の上がることと考えております。 県におきましては、今後も以上のことを踏まえ、市町村等に対しまして効果的なごみ処理対策の指導に努めてまいりたいと思います。なお、リサイクル施設につきましては、平成元年度より廃棄物再生利用総合施設整備事業補助金が追加されましたので、市町村に対しましては積極的に活用するよう指導してまいりたいと思います。 次に、ごみの資源化、有効利用を推進するためのマニュアル作成についてでございますが、一般廃棄物の発生量の飛躍的な増加に対しまして、ごみの資源化、有効利用の推進は積極的に進めていかなければならないと考えております。その方策につきましては、地域の実情によりいろいろ異なるところもありますので、今後市町村等の意見を聞きながら検討してまいりたいと思います。 それから、県下の酸性雨の実態と監視体制でございますが、お話しのとおり、酸性雨問題は、地球規模の環境問題の一つとして世界じゅうで大きな関心を呼んでおり、特に欧米諸国では、森林、湖沼あるいは大理石遺跡等への被害は深刻なものと聞いております。 我が国におきましては、酸性雨による生態系等への影響は現時点では顕在化しておりませんが、酸性雨による湖、土壌、それから植物等に対する長期的な影響は不明な点が多く、現在のような酸性雨が今後も降り続くとすれば、将来酸性雨による影響があらわれる可能性が懸念されているところであります。 ところで、一般的に水素イオン濃度指数、いわゆるpHが五・六以下の雨を酸性雨と称しておりまして、昨年八月に環境庁が発表した酸性雨調査結果では、全国的に多くの地点で年平均値でpH四台の降雨が観測されたところでございます。本県におきましても、昭和六十三年十月、八代市と苓北町に雨水採取装置を設置しまして監視を行っているところでございますが、両地域とも全国と同レベルのpH四台が観測されております。また、熊本市でも昭和六十二年八月から独自に調査を実施しておりまして、同様の結果が得られております。 本県は特に農林業が盛んでありまして、将来森林資源等に被害が生じることにでもなれば影響も大きいので、県としましては、今後とも現在の調査・監視体制を十分に活用して酸性雨の降下状況を監視していきますとともに、必要によってはさらに監視体制を充実することも検討してまいりたいと思います。  〔農政部長木村剛勝君登壇〕 ◎農政部長(木村剛勝君) ゴルフ場の芝に対する病害虫や雑草防除について、完全に無農薬で管理を行うことは技術面、コスト面などさまざまな面で検討すべき課題があり、現状では農薬使用の全面禁止は困難であると考えており、県といたしましては、さきに深水議員、中島議員の質問に知事がお答えいたしましたとおり、昨年四月に制定されましたゴルフ場における農薬の安全使用に関する指導要綱の遵守を指導いたしますとともに、六月末をめどに現在検討を進めています使用農薬の種類、回数等を限定した農薬安全使用のガイドライン及び病害虫等の診断と減農薬防除法を内容とするゴルフ場における農薬の安全防除指針を定め、安全防除の徹底を図り、環境保全と危害の防止に努めてまいりたいと存じます。  〔衛生部長星子亘君登壇〕 ◎衛生部長(星子亘君) L-トリプトファンに関するお尋ねでございます。 昨年十一月、米国において、日本の一企業が製造したL-トリプトファンを多量に含んだ食品の摂取によりまして健康障害が発生したと報告されたところでございます。国におきましては、食品の安全を考えまして、原因究明に当たると同時に、まずは、その企業が製造したL-トリプトファンを含む食品の自主回収を指導されているところでございます。五月一日には原因究明委員会を設置し、調査を開始しております。 お尋ねの県民への周知につきましては、現在国において調査が進められているところでありますので、その結果を踏まえ、直ちに対応できるよう各保健所への連絡体制を整えているところでございます。 被害の実態についてでございますが、現在のところ県内においては被害の報告はあっておりません。 また、販売、回収についてでございますが、問題のL-トリプトファンを含む食品につきましては、食品の販売ルートが複雑多岐にわたっておりますので、その実態を把握することは非常に困難でございますが、回収につきましては、医薬品、食品ともに国の指導により現在自主回収がなされております。 今後、国の原因究明委員会の調査結果を待ちまして、適切な措置をとってまいりたいと存じます。  〔広瀬博美君登壇〕 ◆(広瀬博美君) それぞれ答弁をいただいたわけでありますが、酸性雨の問題ですけれども、これは県でまだ調査を実施してないわけでありまして、調査をすればそういう実態も出てくるんじゃないかと思いますが、御案内のとおり、この酸性雨の問題は、被害を受けたというふうにもうわかった時点では既に手おくれであります。そのことは西ドイツの例などでも明らかになっておるわけでございます。また、スウェーデンあたりでは非常に湖沼が多いわけでありまして、大体約五千ぐらい湖があるということですが、これも酸性化によって魚類が死滅したという報告もあっております。いずれにしましても、調査を怠りなく、監視体制を今後も強めていただきたいというふうに思います。 それから、トリプトファンでございますけれども、これはアメリカでは、これはもう全面回収になっておりまして、輸入禁止ということの措置をとっておるわけでありまして、日本が使用禁止していないというのは全くおかしいわけであります。 この原因につきましては、これは必須アミノ酸でございますのでとらなきゃならないわけですが、やはり問題は、製造過程で何か不純物が混入したかどうか、また、あるいは過剰摂取か何かかということ、それから三番目は、やはり個人差による代謝異常といいますか、そういったもろもろの原因が考えられるわけでございますけれども、こういったものは、やはり安全が確認されるまでは使用禁止にするというのが私は原則でなくちゃいけないと、こういうふうに思います。 いずれにしましても、県民の命と健康にかかわる問題でもございますので、しっかりとしたひとつ取り組みをやってもらいたいと、こういうふうに思うわけでございます。 次に、県営住宅の問題についてお尋ねをいたします。 県では、細川知事の提唱する田園文化圏の創造の一環で開催予定の国際建築展くまもとアートポリス'92への参加プロジェクトとして、斬新なデザインの県営住宅を初めて建設をしました。ところが、入居者からデザイン優先で住みにくいという不満の声が出ているようですが、この県営住宅は、熊本市帯山一丁目の保田窪第一団地で、東京の建築家が設計しており、ことし三月までに一期工事分六十一戸が六億八千万円で完成をしました。この住宅は、居間と寝室部分が渡り廊下で結んだ戸外の離れの感覚を出しているのが特徴となっていますが、これに対して入居者からは、プライバシーが守りにくい、また、渡り廊下は目隠しがあるだけで風雨が吹き込む、雨風が吹き込むとの苦情が出ておるわけでございます。 この件については、さきに建設をしておりました東稜高校なんかからも、廊下に雨が吹き込むというような苦情が出たことも記憶にあるわけですが、県は、確かに従来のようなほかの世帯と完全に切り離された閉鎖的な住宅ではなく、新しい住まい方について積極的に取り組んでいるところは理解できるわけですが、いずれにしましても入居者の立場に立って考えてほしいなと思うわけであります。 県は住民と誠意を持って話し合ってもらいたいと思いますが、そこで、この問題に対する県の受けとめ方と今後どのような対策を講じていくのか、お尋ねをしたいと思います。  〔土木部長杉浦健次君登壇〕 ◎土木部長(杉浦健次君) 県営住宅についてのお尋ねでございますが、熊本県内は現在急速に共同住宅化が進行しつつあります。県営住宅におきましても、共同住宅の先進的なモデルとして、地域に根差した住まいづくり、つまりHOPE計画によりましてさまざまな試みを行ってきたところでございます。 お話にございました保田窪第一団地は、共同で楽しく住むため、共同広場を設けること、積極的に世帯相互の触れ合いを図ること、一戸の住宅面積を広く確保することなどによりまして、新しい住まい方の提案を行ったものでございます。建てかえ団地であることから、建設に当たりましては、設計者も交えた説明会や、あるいは御希望者に対しては他の団地への移転なども行ってきたところでございます。 提案の趣旨が十分に御理解いただけなかった向きもあったのではないかと思いますし、今後入居者の方々とはさらに御理解をいただくように努めますとともに、設計者と十分協議をしてその対策を講じてまいりたいと考えております。  〔広瀬博美君登壇〕 ◆(広瀬博美君) 今土木部長から、初答弁じゃないかと思いますが、一遍部長も、まあ見られたかどうかわかりませんが、雨の降る日見に行ってみれば、そういったところも、住民の皆さんの気持ちもわかるんじゃないかと、こういうふうに思います。いずれにしても、住みやすいというのがやっぱり県営住宅の考えでなくちゃいけないんじゃないか。確かにデザインも必要じゃありますけれども、やはりそこに住む人が本当に住んでよかったなあと、こういう県営住宅にしていただきたいなと思います。 それでは次に、阿蘇畜産農業協同組合の不祥事について質問をしたいと思います。 新聞報道によりますと、組合員六十四人が、組合員に支払われるべき補てん金など一億四千六百万円を流用していたとして組合長を業務上横領罪で一の宮署に告発、これに追い打ちをかけるように、国、県の補助金による同畜協の繁殖牛導入事業が会計検査院から申請どおりに行われていないと指摘があり、県が調査を実施しました。それによりますと、家畜導入事業資金供給事業の場合は、農家に貸し付けされたと報告があっている牛が、実際には農事組合法人あか牛肥育牧場に飼育されている、さらにその後、名義借りして飼育された牛の一部が、貸付期間中に北海道の阿寒町へ転売されており、その数は三年間に三十五頭になっています。そのほか、肉用子牛の価格補てん金と肉用子牛生産拡大奨励金が農家に給付されていないなどが明らかになっています。 今回の不祥事の背景を見ますと、県にも責任の一端はあるのではないかと思います。それは、補助事業の執行については、適正化法に基づき県が事業主体に対して指導監督を行うこととされていますが、県の審査は書類上の形ばかりで、現場を押さえていなかったため、すきを与え問題を引き起こす結果に至ったのではないかと思います。しかも何年間も見逃していた県の責任は重いと思います。 牛肉の自由化を来年に控え、畜産農家は正念場を迎えています。農家は何をよりどころにしていけばよいのか、まことに深刻な問題であります。また、国、県の助成金に絡む疑惑だけに関係機関による徹底究明が待たれるところであります。 そこでお尋ねしたいのは、一つは、今度の問題に対する県の受けとめ方についてお尋ねします。二番目は、不正の実態について明らかにしていただきたいと思います。三、補助金の返還についてはどのように考えておられるのか、お尋ねをします。四番目、関係者からは徹底した真相究明の要望が強いわけでありますが、県の考え方についてお聞きしたいと思います。  〔農政部長木村剛勝君登壇〕 ◎農政部長(木村剛勝君) 阿蘇畜産農業協同組合におきまして、国や県などの補助事業をめぐって不祥事件が発生しておりますが、補助事業の執行を監督する立場にある県といたしまして未然に防止できなかったことにつきまして、まことに申しわけなく思っております。 これまで県が調査したところでは、本来生産者に全額交付されるべき肉用子牛価格安定事業の価格差補てん金及び子牛生産拡大奨励事業の奨励金が、その一部または時期によっては全額が生産者に交付されていないこと及び家畜導入事業資金供給事業では、借り受けを申請した農家の中に、実際には牛を飼育せず名義のみのものもあり、その中には一部が転売されていることがわかりました。また、農用馬改良集団育成事業は、農用馬の改良を図るため、優良雌馬を畜協が購入し、生産者へ貸し付ける事業でありますが、これまで県が調査したところでは、借り受けを申請した農家に飼育されていないものがあったり、既に処分されている事例も見られました。 現在、補助金が適正に執行されているかどうかにつきましては、県といたしましても、事業主体である畜協から詳しく事情聴取を行い、可能な範囲で調査を進めているところであり、会計検査院におきましても引き続き調査が進められています。 補助金の返還につきましては、国及び会計検査院と十分協議しながら、その指示を待ちたいと存じます。 使途不明金の真相究明につきましては、既に阿蘇畜協の組合員六十四名の方々が警察に告発されており、今後当局での事実の解明が急がれているところでございます。  〔広瀬博美君登壇〕 ◆(広瀬博美君) 今部長から答弁をいただいたわけでありますが、この協同組合というのは、その精神については私も評価をいたしております。どうかその原点に返って、一日も早いひとつ正常化を期待するものであります。また、県の取り組みについてもしっかりとした取り組みをやっていただかないと、来年の牛肉の自由化を控え、農家にあっても非常に不安があるわけでありまして、その辺のきちっとした取り組みを県の方にはお願いをしたいと、こういうふうに思うわけでございます。 次に、福祉問題についてお尋ねをいたします。 社会福祉は、すべての人が人間らしく生きる権利、自立した社会的人間として生きていく権利を持っているという考え方を土壌として展開するものであります。 我が国の社会福祉は、社会福祉事業法と老人福祉法など社会福祉六法によって実施されていますが、これらの法則に基づく社会福祉は、人口の高齢化、核家族化の進展などによって十分な機能を果たせなくなっています。我が国の社会福祉に、福祉のノーマライゼーションの理念を明確にし、高齢化社会の進展などに伴う社会福祉需要の多様化、高度化へ有効に対応できるように改善しなければならないと思います。 人生八十年と言われる長寿社会を迎える我が国においては、社会福祉の中で最もおくれているのが在宅サービス、在宅ケアの分野であります。施設サービスの充実とあわせ、特に在宅サービス、ケアの拡充を急ぎ、施設、在宅サービスの選択が容易にできる条件の整備が急がれるところであります。 そこでお尋ねしたいのは、在宅福祉三本柱の強化策についてであります。 熊本県においては、平成元年度は介護元年と位置づけて、三カ年緊急整備事業として強力に推進してきたところであります。その結果を見ますと、一つ、ホームヘルパーを四百八十人ふやす目標に対して三百五十二人、二番目は、ショートステイ利用目標二千三十三人に対して千四百七十九人、ショートステイ専用ベット百八十床に対して百七十六床、デイサービス二十八カ所に対して二十七カ所、いずれも計画倒れで低調に終わっておりますが、質問の一点は、目標に達しなかった原因は、見通しの甘さにあったのかどうか、問題点はどこにあるのか、どういう反省をしたのか、はっきりとしていただきたいと思います。 第二点目は、平成二年度の目標を見ますと相当高く設定しておりますが、単なる努力目標で終わらないようにお願いしたいと思いますが、その根拠についてお伺いしたいと思います。 次に、パートヘルパーの採用についてお尋ねをします。ホームヘルパーの増員計画は三カ年計画で来年度で終わりますが、今のペースでいけば計画達成は不可能に近いと思います。そこで提案したいのは、家庭の主婦などが都合のよい時間帯に在宅介護を行うパートヘルパーを採用して、この緊急整備三カ年計画をぜひとも達成をしていただきたいなと思うわけであります。 次は、在宅サービス利用券方式の拡大についてでございます。これまで在宅福祉サービスを利用するには、利用の都度、一つ、市町村老人福祉課などの窓口で利用申請、二番目は、税務課で課税証明書を発行してもらう、三番、再度老人福祉課に出向いて申請手続という手順を踏まなければならないことになっています。こうした申請に丸一日かかることもあるということでございまして、利用者からは、手続が複雑で利用しにくい、時間がかかる、すぐ間に合わないなどの不満の声が上がっているわけであります。こういう手続は簡素化してもっと利用者の立場に立ったサービスを提供していただきたいと思います。この利用券方式は今全国的に検討されているようです。和歌山県の場合は、一度市町村の窓口で利用券の交付を受けると、その後は、在宅福祉の三事業を電話一本で何度でもできるようになっています。電話受付は、県下の各市町村窓口のほか、社会福祉協議会、最寄りの老人ホームで行っており、利用者の評判もよく実績も上がっているようです。現在本県ではショートステイ事業だけに採用していますが、これをぜひとも介護の三本柱全事業に導入していただきたいと思います。 第四点は、ショートステイの入所期間延長についてであります。ショートステイはおおむね一週間程度の入所となっていますが、その時期を一カ月程度に延長してほしいという現場の強い声がありますが、ぜひ考えていただきたいと思います。 第五点は、在宅介護センターの設置についてであります。このセンターは、身近な所で専門家による介護相談、指導が受けられ、市町村の窓口に行かなくても必要なサービスが受けられるというものでありますが、平成二年度は全国枠で三百カ所に設置する計画になっていますが、熊本県の場合、その予算と何カ所でどこに設置するのか、お尋ねをしたいと思います。  〔福祉生活部長東瀬偉一君登壇〕 ◎福祉生活部長(東瀬偉一君) まず、平成元年度において計画いたしました家庭奉仕員の増員目標の達成についてでございますが、昭和六十三年におきまして二百七十七人となっておりましたものを、平成元年度におきましては、国の在宅福祉緊急整備計画に基づきまして、二百三人増の四百八十人と大幅な増員目標を立てて積極的に取り組んでまいったところでございます。しかしながら、実際には七十五人増の三百五十二人にとどまったことは御指摘のとおりでございます。 この原因といたしましては、一つ目には、実施主体でございます市町村において、サービス利用についての所得制限をいまだに残しているところがかなりございまして、制度の趣旨が十分に理解されていないこと、また家庭奉仕員に対するニーズの把握が十分でないこと、それから二つ目には、サービスを受ける側に在宅福祉サービスを受けることについてためらう意識がまだ残っておること、それと、どういったサービスを受けられるかなどについての理解が十分になされていない面があることなどが挙げられるのではないかと考えております。 したがいまして、本年度の目標達成の可能性についてでございますが、本年度は五百六十五人の目標を立てております。したがいまして、ただいま原因に挙げましたものの裏腹になるかと思いますが、一つ目には、全市町村においてサービス利用についての所得制限が廃止されますように指導をしてまいりたいということでございます。二つ目には、本年七月から六十五歳以上の高齢者全員を対象といたしました実態調査を市町村を通じて実施することにいたしておりますが、その中で、家庭奉仕員のニーズについても十分把握をしてまいりたいということでございます。それから三つ目には、行政福祉サービスを大いに利用していただきますように、広報等の啓発活動に十分努めてまいりたいということでございます。こういったことで、現在掲げております五百六十五の目標数値に一歩でも近づけるように、市町村に協力をお願いしてまいりたいというふうに思います。 なお、御提案のパートヘルパーにつきましては、福祉サービスの多様化の一環として非常に有効とは思いますが、それぞれの市町村の実態もあるかと思いますので、その辺を考慮しながら指導してまいりたいというふうに思います。 次に、利用券方式を家庭奉仕員派遣事業、それからデイサービス事業にも導入してはいかがかという御提案でございますが、実施主体でございます市町村の供給体制の問題等もあろうかと思いますし、また、そこいらをめぐりまして検討すべきことも多いと思いますので、他県の実施状況や市町村の意見もお聞きしながら取り組んでまいりたいというふうに思います。 次に、ショートステイの入所期間につきましては、現在原則として七日以内というふうにされているわけでございますが、利用される方の事情によりましては期間の延長は認められているところでございます。御指摘のように、その辺が十分に理解されていない点があるといたしますれば、今後十分市町村を指導してまいりたいというふうに思います。 それから、在宅介護支援センターにつきましては、県内に五カ所ほどの設置を既に予算計上いたしておるところでございますが、今後実施主体でございます市町村の意見も聞きながら国と協議をしてまいりたいと思います。予算といたしましては、一カ所当たりの事業費が九百二十六万二千円というふうになっております。  〔広瀬博美君登壇〕 ◆(広瀬博美君) 今福祉生活部長から答弁をいただいたわけでありますが、どうも答弁を聞いておりますと、市町村が市町村がということで余り進まぬようでありますが、やはりこういった問題は、やはり県の熱意といいますか、そういうものがやっぱり必要になってくるんじゃないかと、こういうふうに思います。今後ともひとつ、緊急三カ年の整備計画でございまして、その趣旨が十分生かされますようにひとつ県においても努力をしていただきたいと、こういうふうにお願いをしておきたいと思います。 次に、阿蘇火山噴火による降灰対策についてお尋ねをいたします。 阿蘇中岳第一火口は、ことし二月七日に四十九回目の噴火を記録した後、平静を保っていましたが、四月二十日、昨年七月の噴火以来五十回目の噴火を記録しました。黒褐色の噴煙は高さ五百メートルまで吹き上げ、折からの雨で、火山灰とガスを含んだ真っ黒い雨が阿蘇町方面に降り注いだのであります。その量は百二十万トンとも推計をされています。 この噴火で、阿蘇町と一の宮町では農作物等に大きな損害を受けました。県が発表した被害状況によりますと、両町の被害額は二億七千万円に上ります。最も被害が大きかったのは、イチゴ、メロン、トマトといったハウス物などで一億二千五百万円、被害面積二十九ヘクタール、次いで牧草の飼料作物一億二千二百万円、四百五十二ヘクタール、茶千百万円、七ヘクタール、リンゴ五百万円、同二ヘクタールとなっています。 私も党調査団の一員として現地を視察をしましたが、阿蘇町、一の宮町では、黒い雪が積もったようなビニールハウス、立ち枯れたような牧草、灰にまみれて牧舎に下山する放牧牛。観光地・阿蘇は、火山付近への立入規制の影響だけでなく、生活、産業まで深刻な打撃を受けていました。そこで、きょうは、関係者からの要望がありました問題について質問をしたいと思います。 この日要望しました阿蘇町の河﨑町長は、今回は百二十万トンのどか灰で、米の転作物として力を注いできたハウス野菜やリンゴの栽培に手痛い被害を受けただけに事態は深刻です、農家がやる気をなくさなければよいがと心を痛めておられました。また、一の宮町の茶畑に私たちを案内した市原町長は、一番茶は全滅です、二番茶も物になりませんと大変心配をされていました。 そこで、具体的な問題についてお尋ねをしますが、まず第一点は、洗浄ホース管鎗の購入に伴う助成についてであります。特に今回の火山灰は粘着性が強く、ビニールハウスを直撃しています。この対策としては、素早く洗浄することにあります。これを放置しますと、曇りガラスのようになって照度が落ちて、トマト等は玉太り現象となって商品にならないということであります。このホースはハウスだけでなく、露地野菜、キャベツの洗浄にも威力を発揮するということであります。今関係者は洗浄ホースに対する助成を一番望んでいるのであります。聞くところによりますと、県当局では、単価も安いということで制度融資で対応しようとしておられますが、火山灰は災害の一つでもありますし、農家は負債を抱えて大変です。ぜひとも単県費でも助成をしていただきたいと思うのであります。 次に第二点目は、降灰農地内の酸度矯正事業にかかわる費用の助成についてでありますが、これも県の取り組みが大変おくれていますので、早急に取り組んでいただきたいと思います。転作作物として、大豆、スイートコーン、里芋、飼料作物などに取り組んでいますが、酸度矯正がおくれますと、土壌が酸性になって作物がよく育たないという事態になります。これも早急に実施してほしいと思います。 第三点目として、牧野関係の飲料水確保とリンゴ園等の洗浄水確保並びに洗浄用機械購入に伴う助成についてでありますが、リンゴ園では、開花の花と葉などが黒変し、樹勢の衰弱が見られ、結実は難しいと見られています。十九戸の農家では、これまで四千万円を投入していますが、そのほとんどが自己資金ということです。今度の被害で財源の見通しが立たないといった状況です。阿蘇町と農家では、将来観光農園として阿蘇観光の目玉にしたいという希望がありますので、ぜひとも力をかしていただきたいと思うのであります。また、牧野関係の飲料水確保と茶の洗浄用施設の設置について今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをします。 次に第四点として、畜産関係粗飼料の確保及びこれに伴う経費の助成についてであります。大量の降灰で牧草が埋もれ、葉先の枯死等の被害が出ています。灰の付着がひどく、放牧牛が採食できない状況にあります。また、今後の降灰の状況によっては牧野の利用がさらにおくれる可能性もあり、粗飼料の不足が懸念されるところでありますが、粗飼料の確保とこれに伴う経費の助成についてどのような対策を考えておられるのか、お尋ねをします。 第五点目は、農業用用排水路及び施設の機能が損なわれた場合、速やかに助成措置をお願いしたいということであります。これは当然のことですが、ヨナの堆積及びポンプ等の損傷が十分予想されるわけでありますが、これらについては速やかに対応してもらいたいと思うわけであります。 次に、営農指導の強化についてでありますが、特に水稲の開花時期等にヨナが降りますと相当の減収になる、また等外米になりますと農家の収入に大きく響きます。米は阿蘇の基幹作物であります。米に被害が出るようなことになれば、農家は倒産をします。営農指導はこれからが大事でございまして、ぜひとも営農指導に力を入れていただきたいというふうに思います。 以上の点について答弁をお願いしたいと思います。  〔農政部長木村剛勝君登壇〕 ◎農政部長(木村剛勝君) 営農対策につきましては、これまでも降灰量等の調査や降灰対策の技術指導を行ってきたところでございますが、国の防災営農施設整備計画の基準に達しない事業等につきましては、緊急に単県事業による土壌の酸度矯正を初め、営農・生活資金等の金融対策、あるいはビニール洗浄機等の導入など、地元の御要望に沿った各般の対策を進め、あわせて農業共済対策につきましても指導を行ってきたところでございます。 去る四月二十日の噴火やその後の降灰による被害対策につきましては、一の宮町、阿蘇町から県及び県議会に対し陳情がなされ、五月三十日には県議会環境対策特別委員会が現地を視察したところでありまして、県として既に諸対策を進めているところでございます。 対策の状況は、まず畜産関係の粗飼料確保として、国の牧場などの協力を得て約百三十トンを市価の半額程度で供給できるよう緊急的に措置をいたしますとともに、牧野のため池の修復につきましては、牧草の回復状況や降灰の状況を見ながら、地元の意見を聞き対応策を検討することとしております。 リンゴ園の洗浄水の確保及び洗浄機の導入につきましては、単県事業による導入を検討していますが、洗浄ホースの筒先の補助につきましては、一件当たりの金額が約三万円と少額で個人施設であるため、助成・融資制度にはなじみにくいと考えています。 土壌の酸度矯正は、平成元年度分について本年三月に事業を実施しており、今後の降灰の推移を見ながら対応してまいりたいと存じます。 用排水路や施設等の復旧につきましては、災害復旧暫定法の採択基準を満たせば、災害復旧事業により迅速に対応したいと存じます。 いずれにいたしましても、今後とも降灰による被害防除と営農指導を強化して、経営の安定と地域農業の振興に努めてまいりたいと存じます。  〔広瀬博美君登壇〕 ◆(広瀬博美君) 次に進みます。 最後、坪井川問題と、それから益城台地周辺地域開発構想について一緒に行いたいと思います。 坪井川問題についてお尋ねします。 昭和二十八年、三十二年、五十年、五十五年と、この大水害に見舞われました坪井川は、熊本市街地を流下する川だけに、治水上でも大変重要な河川になっています。そのために、水辺特有の環境を大切にして、地域の風土、歴史、文化との調和をとりながら安心して市民が暮らせること、つまり治水面での充実を前提とした整備が進められています。 そこで質問の第一点は、坪井川遊水地事業の完成の見通しについてお尋ねします。この計画は、流域面積百四十一・七平方キロの坪井川流量をコントロールするため設けられるもので、毎秒二百七十トンの流量を遊水地で毎秒八十トンカット、一時的に貯水することによって百九十トンに減らすもので、その完成が急がれているところでありますが、聞くところによりますと、用地交渉が計画どおりにいっていないため、大幅におくれることが心配されていますが、完成のめどについてお尋ねをします。 次に、高平工区の平成二年度の供用開始についてお尋ねします。この工区については、住民に見本的に見てもらうという意味と、洪水時には少しでもカットできることを期待していたところでありますが、工事が思うように進んでいないようです。いつごろになるのか、お尋ねしたいと思います。 次に、遊水地事業の広報板の設置についてでありますが、住民からは、広大な土地は荒れ放題で、何を計画しているのか、どうなるのか全くわからないので不安を感じるという声をよく聞きますが、この計画は大事業で時間もかかる仕事ですから、住民の理解と協力を得ることが大事だと思います。ぜひ検討していただきたいと思います。 次に、坪井川の流下能力についてでありますが、五十五年の集中豪雨以降、激特事業として河道を拡幅したり、護岸のかさ上げや多くの橋梁の改築などに取り組んでこられましたが、地元として大変感謝をいたしておるところでありますが、今日までの改修工事でどのくらい流下能力があるのか、お尋ねします。 次に、建設省のふるさとの川モデル事業の整備計画の方針と今後のスケジュールについてお尋ねをします。 最後に、益城台地周辺地域開発構想についてお尋ねします。 この構想の益城台地は、熊本都市圏の東部に位置し、九州縦貫道路が南北に走り、熊本空港、テクノポリスセンターまで車で十分、JR熊本駅まで三十分の交通のアクセスポイントになっております。全体面積は二百四十二ヘクタールになりますが、このうち八十二ヘクタールを第一期事業として国際産業展示場を核とした整備を行い、その後段階的に整備を行うとしていますが、現在用地の先行取得に取り組んでいると聞いておりますが、用地交渉が難航して、三十一・七二ヘクタールのうち、売り渡し承諾者は現段階で二十・六〇ヘクタールで、承諾率で六四・九%となっているところであります。 ○副議長(鏡昭二君) 残り時間が少なくなりましたので、質問を簡潔に願います。 ◆(広瀬博美君) (続)特に、未承諾者の方々のほとんどが専業農家で、将来とも農業を続けたいという意向であると聞いておりますが、用地買収を進めていくに当たっては、地権者の今後の生活設計等の考え方や意向を十分に把握しながら適切に対応していくことが必要であると考えております。 そこで、本構想については二十一世紀の熊本の新しい顔になると聞いておりますが、計画の方針等その整備計画はどのようになっているのか、また、今後本構想の具体化に向けて県はどのように取り組んでいかれるのか、あわせてお伺いしたいと思います。 ○副議長(鏡昭二君) 土木部長杉浦健次君。──時間が少なくなりましたので、簡潔にお答えをお願いします。  〔土木部長杉浦健次君登壇〕 ◎土木部長(杉浦健次君) 坪井川の改修についてのお尋ねでございますが、まず遊水地事業の完成の見通しでございます。本事業に必要な面積五十六ヘクタールのうち一・二ヘクタールが未取得となっております。この取得につきましては、あらゆる手段を講じて努力するのはもとよりでございますが、鉄道、橋梁、水門等大型構造物の工事が残っております。なお相当の日数を要すると思います。現在時点ではおおむね平成六年度になる予定でおります。 また、高平工区の平成二年度供用開始についての見通しのお話でございましたが、坪井川遊水地が平成元年の六月に建設省で行いますふるさとの川モデル事業として公園化が決定されました。したがいまして、水門等につきましても、景観を考慮した施設に見直しを行った等のためによりまして平成三年度にずれ込む結果となりましたが、引き続き早期完成に向けて努力してまいりたいと考えております。 次に、遊水地事業の広報板の設置の御提案をいただきました。地元の方々の御理解と御協力を得るのに有効な手段であると思います。早急に設置場所等を選定して設置してまいりたいと考えております。 それから、坪井川の流下能力についてのお話でございますが、昭和三十二年当時と現在との流下能力を比べてみますと、井芹川の合流点の高橋地区下流では約三倍、市街地の中心部では二倍から一・二倍程度となっております。しかし、坪井川の抜本的な治水安全度の確保のためには遊水地の完成が不可欠でございまして、今後とも早期な完成に向かって努力をしてまいりたいと考えております。 最後に、ふるさとの川モデル事業の整備方針、今後のスケジュール等でございますが、この五十六ヘクタールという広大な空間を使いまして、例えば水辺の自然とふれあいのゾーン、水辺レクリエーションゾーンなど、それぞれ特色を持たせた計画を行っていこうとしております。この事業は県と市と共同で実施するものでございまして、事業費約八十億円と大きなものでございます。やや日数を要しますが、完成した部分は、随時一般に開放して御利用していただくように配慮してまいりたいと思います。 それから、益城台地の開発についてのお尋ねでございます。 益城台地周辺開発構想につきましては、熊本市圏の都市部と空港を結ぶ交通の軸上に位置するなど諸条件に恵まれたこの地域は、インターチェンジ及び国際産業展示場を構想の中核といたしまして、熊本の新しい顔としてまちづくりを推進しようとするものでございます。豊かな自然環境を生かした公園等のアメニティー機能を有した良好な都市居住環境も備えた新しい都市として、人、物、情報の交流拠点化はもとより、熊本の産業、経済の国際化を推進する拠点として整備したいと考えております。 ○副議長(鏡昭二君) 答弁を終結願います。 ◎土木部長(杉浦健次君) (続)また将来は、本構想とテクノポリス計画とを連携させることにより、熊本市圏の新しい都市ゾーンとなるものと考えております。 この構想の基盤づくりとなる土地区画整理事業を進めるため、現在県有地の先行買収を進めているところでございますが、いずれにいたしましても、益城台地周辺地域の開発構想を進めるに当たりましては、特に地元の地権者の方方の御理解、御協力が必須でございます。今後とも、県庁内はもとより益城町、関係機関の御協力をいただきながら、早急に構想の具体化を図ってまいりたいと考えております。 ○副議長(鏡昭二君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明十九日は午前十時から会議を開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第五号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後二時三十七分散会...